ドイツ・欧州環境規制最新動向

I. ドイツの環境規制動向

ドイツの経済状況(2006~2007年)と国民の環境意識
 ドイツ経済のこの1年は、6年ぶりの高成長となった。昨年の同時期(2006年3月)には予想できなかったほど景気が好調であ る。また経済の成長に伴い、財政赤字は減少し、失業率も下がるといった好循環が見られる。今年(2007年)は、ドイツ・EUともに、景気は穏やかに回復 していくという予想である。

 ドイツ国民の環境意識の高さを示す例として、2年に1度政府が実施する環境意識調査の最新結果があ る。「今、ドイツで最も大切な問題は何か」 という質問に対して「環境問題」という答えが第2位を占め、2年前の3位から1つ順位を上げているも ここ数年「環境問題」が常に2位、3位を占めており、意識の高さがうかがえる。
 
また同じ調査では、国民が最も気にしている「健康に対する負荷」の第1位が「外気中の微細粉塵」、第 2位が「室内のたばこの煙」、第3位が「製品と日用品に含まれる化学物質」となっている。第1位の「外気中の微細粉塵」とは、具体的にはディーゼルエンジ ンの「すす粒子」である。ドイツ、欧州では、乗用車においても日本とは比較にならないほどディーゼル車の数が多く、排気ガスの「すす粒子」が国民の心配の 種となっている。
 
第2位の「室内のたば音の煙」はさておき、第3位が「製品と日用品に含まれる化学物質」という結果は、製品をヨーロッパに輸出する日本の企業にとっては、見逃せないところであろう。

連立政権の環境政策
2005年の総選挙では、第1党と第2党にほとんど得票の差がなかったため、それ以降、連立政権が組まれている。首相はキリスト教民主同盟 (CDU)の元環境相・物理学博士のメルケルで、環境大臣はドイツ社会党(SPD)のガブリエルが務めている。

この連立政権の環境政策は、旧政権の大方針をそのまま受け継いだものとなっている。柱の1つとして、原子力発電の段階的な廃止がある。これは32年をかけて原発をゼロにするという政策で、既に実行に入っている。

もう1つの柱は、地球温暖化対策である。原子力発電を廃止しながら地球温暖化対策を図ることには大変な困難が伴うが「あえて原発の廃止と地球温暖化対策の両立。」を掲げていることから「ドイツの挑戦(チャレンジ)」と言われている。