環境分野詳細情報

9.自然保護

 

2021年2月9日
『農業で活躍する昆虫たち:
  ニーダーザクセン州、ザクセン州、チューリンゲン州の新しいプロジェクトが、農業での生物多様性と生産性の向上に役立つ生物を助成する』
 ドイツ連邦環境省(BMU)プレスリリース、2021年1月26日
 独文和訳資料提供サービス

農薬を止めて、昆虫の助けによる、自然と調和した農業生産に移行する - これが今度、連邦プログラム「生物多様性」でスタートしたプロジェクト「農業のための的を絞った昆虫助成」の基本的な考え方である。ヒメバチ(学名:Ichneumonidae)、花バグ(学名:Anthocoridae)のような役立つ生物には農業において今まで以上に食料、居場所、越冬可能性を与える必要がある。このプロジェクトは、とくに役立つ生物を助けるフラワー・ベルトを設置する。このような形の自然の力による害虫駆除によって、長期的には、農薬の使用と農薬への依存性を減らすことを目指す。連邦自然保護庁は、ニーダーザクセン州、ザクセン州、チューリンゲン州でのプロジェクトを連邦環境省の110万ユーロ(1億4千万円)の資金によって助成する。

ドイツ語原文2頁+日本語訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1761

2020年7月23日
『国連環境計画(UNEP)の人獣共通感染症(zoonosis)レポート:
 動物界からの伝染病のリスクが増大中』
   ドイツの国営ラジオ放送 DLF
   放送日: 2020年7月7日
   番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
   独文和訳資料提供サービス

エボラ、SARS、ジカなど、半数以上の伝染病は動物からヒトに移される。新型コロナ・ウィルスも、そうであるという多数の証拠がある。国連環境計画は、そのような伝染病は今後、さらに増える可能性があると警告する。その理由は、人間の環境利用が度を越しているためだという。DLF の放送内容をまとめる DLF ウェブを訳出して提供する。

ドイツ語原文2頁+日本語訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1750

【参考】この放送が紹介した国連環境計画の報告書は下記の URL からダウンロードできる。著者は世界のトップレベルの人獣共通感染症の専門家たち。また、報告書の要約版やQ&Aも提供されている。言語は英語など多国語から選べる。
https://www.unenvironment.org/resources/report/preventing-future-zoonotic-disease-outbreaks-protecting-environment-animals-and
Report (total 82 pages):
Preventing the next pandemic - Zoonotic diseases and how to
break the chain of transmission. July 6th, 2020

2020年4月20日
『世界規模の自然保護が将来の伝染病のリスクを抑える』
  ドイツ連邦環境省(BMU)プレスリリース、2020年4月2日
  独文和訳資料提供サービス

 

自然破壊が進むと、病気の勃発がパンデミー(世界的な大流行)に至るリスクが高くなる。そのため、世界の多くの地域で自然保護に力を入れることは、新しい伝染病の発生を予防するために、大切なカギと云える。これに関して、今日、ドイツ連邦環境大臣のスヴェンヤ・シュルツェは著名な学者たちと一緒に連邦政府記者会見で注意を喚起した。

新型コロナウィルスの動物からヒトへの正確な伝染経路はまだ最終的には解明されていない。しかし、ヒトの伝染病の病原体の約 70% が動物界に由来することはすでに証明されている。それらとは、ヒト免疫不全ウイルス(エイズ)、エボラ、インフルエンザ、中東呼吸器症候群コロナウィルス(MERS)および重症急性呼吸器症候群(SARS)などである。ヒトと様々の種類の動物が非常に狭い空間で一堂に会し、動物が狭い場所にすし詰めにされ、衛生上、ひどい状態で閉じ込められている野生動物市場でそうした動物からヒトへの伝染の可能性があることは明白である。しかし学者の見解によると、より根本的には、環境システムが人間の介入によってバランスを失う場合に、病気のヒトへの伝染の確率が高くなる、ということだ。

2020年4月2日にベルリンで行われた連邦政府記者会見では、次の各氏が本件について見解を述べた:
*連邦環境大臣スヴェンヤ・シュルツェ
*ベルリン大学病院「シャリテ」のウィルス学研究所の「新型アルボウイルスのエコロジー」の作業グルー  プ長のサンドラ・ユングレン博士
*環境研究に関するヘルムホルツセンターに所属し、世界生物多様性会議 IPBES の共同代表者のヨーゼフ・ゼッテレ教授。

このプレスリリースは、これら三氏の述べた見解を紹介する。

世界生物多様性会議 IPBES (Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services)は、生物多様性とエコシステムの性能に関して政治に学問的な助言を与える国際的な委員会で、気候変動に関する政府間パネル IPCC の妹分のような存在である。

世界生物多様性会議 IPBES の次の英文報告書を参照:
Global Assessment Report on Biodiversity and Ecosystem Services
https://ipbes.net/global-assessment (言語:英語)

世界生物多様性会議 IPBES のホームページの検索窓に“Corona”を入力して検索すると、次のヒットが見つかる:
Date of Publication: April 2nd, 2020
Country of publication: Germany
Media title: Environment Minister: Protection of Nature Against Epidemics
URL: https://www.tagesschau.de/inland/corona-pandemien-naturschutz-101.html (言語:ドイツ語)

ドイツ語原文2頁+日本語訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1742

※ ドイツ連邦環境省による英語訳文はここ