環境分野別詳細情報

4. 省エネ

2011年3月10日

『VWが1リットルの壁を破る』
    発表雑誌名:ADAC Motorwelt
    掲載号:2011年3月号のp.38

    独文和訳資料提供サービス

VWはディーゼルエンジンと電気モータのハイブリッドの試作車 VW XL1 を公開した。炭素繊維とアルミを車体材料として投入し、重量を 795 kg に抑えたこの二人乗り車は、100 km 走行するのに燃料消費が 0.9 リットルと1リットルの壁を破る。ドイツの家庭の 230 V の電灯線で1時間充電すれば、35 km 走行できる。発売は 2013 年の予定で、価格は未定。その省エネ技術はゴルフなどVWの一連のモデルにも応用される予定。

この記事では、VWのハッケンベルク技術担当取締役がドイツ自動車クラブ(ADAC)のMotorwelt誌編集部員に車を紹介する。諸元表付き。路上での燃費実測値にも言及。

原文1頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1270

2010年10月7日

『パッシブハウスの中では暖房がなくても暖かい』
    ドイツの国営ラジオ放送 DLF
    2010年9月21日放送
    番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)

    独文和訳資料提供サービス

 

EUでは温暖化対策とエネルギー問題を不可分のテーマとしており、「EU気候&エネルギー・パッケージ」(The EU climate and energypackage)という名の政策を実行している。その詳細は:

http://ec.europa.eu/environment/climat/climate_action.htm

この政策の根幹を成すのは「EUの 20-20-20 ターゲット」という目標で、2020年までに:
1)EUとしての温暖化ガス排出量を1990年比で 20% 削減する、

2)EUのエネルギー消費の 20% を再生可能エネルギーで賄う、
3)省エネにより、一次エネルギーの消費量を 20% 削減する
ことを目指す。

このうちの目標3)と1)の努力継続ための施策の一つとして、EU議会は2010年5月18日に《2021年(公共建物は2019年)からはEU域内の新築の建物はゼロ・エネルギー・ハウス(パッシブハウス)でなくてはならない》という内容を含む「建物の総合効率に関する指令 2010/31/EU」を可決した。

欧州では、個人住宅の全エネルギー消費の 70% は暖房のためなので、暖房がほぼ不要のパッシブハウスを普及させれば、上記の努力継続に大きく貢献することは論を待たない。

1980年代にドイツの物理学者ヴォルフガング・ファイストとスウェーデンの建築家ボー・アンダソンが考案したパッシブハウスのコンセプトを実現すると、その家屋は外気温が氷点下15℃でも暖房がほぼ不要になる。全世界での施工実績は17500例。その詳細はパッシブハウス研究所のhp:

http://www.passiv.de/ を参照(英語ボタンあり)。

この番組では、ドイツでは最大規模の800軒のパッシブハウス工法の集合住宅をもつフランクフルト市住宅公団に取材して、その実情を報告する。同市の年間平均気温は 9.7℃ だが、この位の気温ならばパッシブハウスでは暖房は不要なので、同公団では入居者から暖房費を徴収しない。ドイツでも暖房費の上昇は庶民の頭痛の種だが、ここではそれは別の星の出来事である。これにより、同公団全体で年間に90万リットルの灯油を節約し、2千トンのCO2放出を回避する。
参考:年間平均気温 東京 16.1℃、大阪 16.5℃、札幌 8.5℃。

上記のEU指令では、新築の公共建物は2019年からパッシブハウスでなくてはならないが、フランクフルトでは市条例により、これを十年間以上前倒しして、2007年から新築する公共建物のすべてに適用している。現在までに、パッシブハウス工法の体育館2棟、幼稚園8棟、学校2棟が竣工した。

なお、最近では日本語グーグルで「パッシブハウス」を検索すると、かなりの情報が得られるようになったので、参照されたい。例:
http://www.eco-online.org/eco-people/2010/02/morimiwa.php
http://www.youtube.com/watch?v=hVxmt3Y1540

原文2頁+訳文2頁(いずれもA4サイズ)
資料番号 M-1209

2009年10月7日

『生活排水からの熱の回収』

 

  発表日:2009年10月2日

  ドイツ連邦環境省プレスリリース(330/09)

  独文和訳資料提供サービス

 

筆者は2009年4月の日本講演で、世界一の省エネ国であるスイスの2000 Watt社会プロジェクトを紹介した際に、排水溝を流れる廃水もそのまま川に捨てずに、生活廃水中の熱を熱交換器によって回収し、ヒートポンプで昇温して地域暖房に活用している様子を報告した。次のリンクはそのプレゼン:
http://www.mochizuki.de/app/download/1699910814/2000W+Society+Project+of+Switzerland+p4.pps

このほど全く同じ原理で、生活廃水中の熱を市営の温水プールの熱源として活用する設備の建設のためにドイツ連邦環境省が3150万円相当の助成金を認可したことを伝えるプレスリリースを訳出する。この設備による温暖化ガス削減はCO2換算で年間220トン。ドイツ連邦環境省はこの類の温暖化ガス削減対策にじつにきめ細かく助成金を出している。

原文1頁+訳文1頁
資料番号 M-1160

2007年7月21日
  『エネルギーによって駆動される製品(EuP)の環境に適合した設計に関する法律』

(略称:エネルギー駆動製品法、ドイツ語略称:EBPG)の最終ドラフト

 

発表日:2007年6月20日
発表者:ドイツ政府(所管:連邦経済省)
独文和訳資料提供サービス

 

 

ドイツでは連邦経済省がEUのいわゆるEuP指令(指令2005/32/EC)を国内法化するドイツ法の作成を担当する。国内法化の手本は機器・製品安全法(GPSG)である。今回訳出する最終ドラフトは、2007年8月1日の閣議で了承される予定。ドイツ法としての成立は2007年の年内を予定(EuP指令の定める、加盟国による国内法化の期限は2007年8月)。

EuP指令がどのような形で国内法化されるかは注目されるが、環境先進国ドイツの先陣を切る国内法は他の加盟国にも影響を与えると思われる。

EuP指令は違反に対する罰則は各国法が定めることとする(指令の第20条)が、このドイツ法ドラフトは具体的な罰金の金額(2種類)を定める。

資料番号:M-1032
納品内容:和訳文(全13頁)、独語原文(全16頁)