環境分野別詳細情報
3. 化学品安全
2015年4月9日
ドイツの公営ラジオ放送局WDR2:
『トナー粉塵は就業不能の原因か』
番組名:Quintessenz(本質)
放送日:2015年1月27日
放送継続時間:4m2s
現在も視聴可能:URLは資料に記載
WDR2のHPにアップされた放送内容の要約を訳出する。
レーザ・プリンタと複写機は多くの事務所では欠かせない道具である。これらの機器から非常に細かいナノ粒子が漏れ出すことに疑いはない。それが健康にとって実際にどれだけ危険かについては、専門家の間で意見が分かれている。
見出しのリスト
●レーザ・プリンタについての論争
●新しい研究が証明:トナー粉塵は損害を与えうる
●トナー粉塵は就業不能の原因か
●プリンタの設置場所
原文2頁+訳文3頁(A4サイズ)
資料番号 M-1664
2015年4月9日
ドイツの公営TV放送局WDR:
『レーザ・プリンタのトナー粉塵
実際のところ、それはどれだけ危険か』
番組名:Markt(市場)
放映日:2015年1月26日
放送継続時間:6m52s
現在も視聴可能:URLは資料に記載
WDRのHPにアップされた放送内容の要約を訳出する。
ドイツでは微細なトナー粉塵は危険とされている。それは肺の損傷を惹き起こしうると云われ、発がん性が疑われている。Markt(市場)という番組は、トナー粉塵はどれだけ危険か、最新の機器はそれをどれだけ放出するかを調べた。
見出しのリスト
●我々はDNAの損傷さえ見付けた
●トナー粉塵による死亡例?
●レーザ・プリンタの製造者にUBAが環境賞を授与
●見通しと推奨
原文4頁+訳文5頁(A4サイズ)
資料番号 M-1663
2014年6月12日
DGUV (ドイツ法定事故保険中央組織)プレスリリース:
『レーザ・プリンタは、どちらかというと別室で稼動させるべき』
発表日:2014年5月28日
DGUV の委託で2011年2月1日に開始されたミュンヘン大学とベルリンのBAM(連邦材料試験所)の合同研究のテーマは、レーザ・プリンタの運転がヒトの健康に与える影響の有無の解明であった(→資料番号 M-1595 を参照)。この研究は2013年11月30日に終了し、2014年5月28日に最終報告書(全238頁, 8.2
MB)が発表された。そのタイトルは、『プリンタと複写機のエミッションによる健康リスクの可能性の研究』。
このプレスリリースは、この研究の結論を要約するとともに、無償で公開された最終報告書(独語)のダウンロードリンクおよびミュンヘン大学の分担部分ならびに BAM の分担部分の目的、方法論、結果を記述するウェブサイトのリンク(独英併記)を与える。
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1647
2013年8月5日
スイス最高裁の判決:トナー粉塵のための肺疾患を職業病として認定
K-Tipp(スイスの消費者保護メディア)
2013年5月22日付
2013年4月にスイスの最高裁が、複写機やレーザ・プリンタから排出されるの化学エミッションが職業病の原因となりうる、という判決を下し、具体的な事例について、労災保険が職業病に罹った労働者に補償金を給付することを命じた。この資料は、スイスの消費者保護メディア“K-Tipp”の短い報道を訳出して提供する。
これはスイス最高裁の判決であるだけに、欧州諸国へのその影響が注目される。
判決の主文を入手していますので、その全訳にご関心のある方は望月浩二までご一報ください。
原文1頁+訳文1頁(A4サイズ)
資料番号 M-1636
2013年5月4日
バイバイ、レーザ("Bye-bye Laser")
南ドイツ新聞(ドイツの代表的全国紙)、2013年2月27日付
独文和訳資料提供サービス
レーザ・プリンタはどのオフィスにもあるが、疑いをかけられている。多くのレーザ・プリンタのエミッション値はブルーエンジェルの環境基準を超す。そこで、いくつかの製造者(この記事は Brother/EPSON/hp の事例を紹介)は現在、インクジェット技術への移行に注力している。
原文1頁(新聞記事、小活字)+訳文3頁(A4サイズ、頁数は推定)
資料番号 M-1625
2013年5月4日
ハンブルク警察は、プリンタはインクジェット式またはゲル式のみを購入
ディ・ヴェルト(DIE WELT= ドイツの代表的全国紙)、2012年12月28日付
独文和訳資料提供サービス
記事のタイトルは「トナーの微細粉塵 - レーザ・プリンタからのリスク」だが、記事の全体ではなく、記事中の標記の見出しとその下の文章だけ(原文で全7行)を訳出して提供する。
原文1頁(新聞記事)+訳文1頁(A4サイズ)
資料番号 M-1624
2013年2月20日
DGUV (ドイツ法定事故保険中央組織)プレスリリース:
レーザ・プリンタのヒトの健康への影響の研究
発表日:2012年12月11日
独文和訳資料提供サービス
ミュンヘン大学の労働医学者と環境医学者は、ベルリンの BAM(連邦材料試験所)の協力を受けて、レーザ・プリンタの運転がヒトの健康に影響を与えるか、与えるならば、どのような影響を与えるかという研究を行っている。これは DGUV の委託による研究である。その結果は約一年後に発表の予定である。このプレスリリースは、この研究の問題意識と方法論を解説する。
原文1頁+訳文1頁(A4サイズ)
資料番号 M-1595
2012年9月6日
『職場環境におけるプリンタ・エミッションに起因するナノ粒子』
オーストラリア政府の労働安全に関するウェブサイト
2012年9月6日現在
英文和訳資料提供サービス
このウェブサイトは同国内および諸外国で行われた標記テーマに関する学問的な研究に基づいて同国内で作成された、次の各号の資料を無償でダウンロード提供する:
① どのようにすれば職場はレーザ・プリンタからの粒子エミッションを評価ならびにコントロールできるかに関する報告書に基づく予防的アドバイス
② 粒子として測定されるレーザ・プリンタのエミッションに起因する健康リスクの簡潔な概観
③ 職場環境におけるプリンタ・エミッションに起因するナノ粒子
この英文和訳資料には、上記3つの資料のダウンロードURLを記載する。本資料は、標記の英文ウェブサイトを和訳して提供する。
とくに資料②は、健康リスクをエミッションの《粒子》および《VOC》としての性質から記述し、それを総合して、毒性学的な懸念に関する閾値を考察する。
訳文1頁(A4サイズ)
資料番号 M-1528
2012年7月16日
『コンピュータ作業』
『職場の設計』
発行者:スウェーデン労働環境庁
英語原文資料提供サービス
レーザ・プリンタと複写機の健康問題に関するスウェーデン政府の労働医学行政の公式見解を知るべく、試行錯誤した結果、この分野に精通する同国カロリンスカ医科大学(http://goo.gl/0g37U)の労働医学教授から次の情報を得た:
*この問題に関して政府機関の運営するホームページはない(望月注:ドイツ、オランダ、スイスにはある)。
*スウェーデンでは、事務作業者のUFP曝露を避けるために、別室設置を推奨している。その記述を含むスウェーデン政府の労働医学行政の文書は現在、二つある。
その二つの文書を英語原文のまま提供する。いずれの文書でも、レーザ・プリンタと複写機に関する記述はきわめて短いが、別室設置ということで複雑な議論を避けていると言えよう。
なお、これらの文書は、本来、コンピュータを使用する現代の事務作業場に関する労働医学的な推奨集として編纂されたものなので、その意味で価値があることは言うまでもない。
『コンピュータ作業』・・・英語原文149頁(pdf)
『職場の設計』・・・英語原文119頁(pdf)
資料番号 M-1504
2012年6月20日
「Q&A:複写機とレーザ・プリンタのトナーに曝露される給与生活者の健康にとってはどのようなリスクがありますか」
文書番号: 労働医学文書 No. 124
発行者:フランス国立安全研究所(INRS - Institut national de recherche et de sécurité)
責任者:ステファン・マラール(Stéphane Malard)氏、研究・医学的補助部/INRS
発行日付:2010年第4四半期
仏文和訳資料提供サービス
原文2頁+訳文3頁(A4サイズ)
資料番号 M-1482
2012年6月14日
「プリンタと複写機」
原題:“Drucker und Fotokopiergeräte”
発行者:スイス連邦保健局(Bundesamt für Gesundheit - BAG)
訳注:BAGは連邦内務省に属する。
責任者:ロジャー・ウェーバー(Roger Waeber)氏
環境毒物部長(Leiter Fachstelle Umweltgifte)
発行日付:記載なし(2012年6月13日現在の内容を訳出)
URL: http://www.bag.admin.ch/themen/chemikalien/00238/01355/01358/10339/index.html?lang=de
独文和訳資料提供サービス
標記タイトルのウェブ・サイトを訳出、提供する。その内容は、プリンタと複写機の健康問題に関するスイス連邦政府の公式見解である。
内容の目次は次のとおり:
*電源スイッチ・オン時および運転時の有害物質放出
*もっとも重要な放出有害物質
*有害物質放出のより少ない機器をどうやって見分けるか
*健康の観点からの一般的な推奨(⇒ この章では、詳細は SUVA のファクトシートを参照のこととして資料 M-1470(下を参照↓)へのリンクが貼ってある)
*個人ユーザのためのプリンタと複写機の購入と運転に関するBAGの推奨
*トナーに触れた場合の最初の救助対策
責任者のウェーバー氏とは文通していますので、資料をお買い上げのお客様のご質問は無償で同氏にぶつけて回答を得ます(ただし無償サービスの質問の数は1つまで)。
原文3頁+訳文3頁(A4サイズ)
資料番号 M-1471
2012年6月11日
ファクトシート「レーザ・プリンタ、複写機およびトナーによる健康リスク」
原題:“Factsheet: Gesundheitsgefährdung durch Laser-
drucker, Kopiergeräte und Toner”
発行者:SUVA (= Schweizerische Unfallversicherungsanstalt,
スイスの公法に基づく保険組織で、労働災害、職業病および余暇での事故について
保険を提供する。事業内容は予防、保険およびリハビリ。)
発行日付:2012年3月
独文和訳資料提供サービス
SUVA が発行した次の内容の標記ファクトシートを訳出、提供する:
1 要約
2 SUVA の推奨
2.1 一般的な対策
2.2 トナー粉塵への比較的に強い曝露時の対策
2.3 作業者の身体の不調時の対策
3 解説
3.1 レーザ・プリンタと複写機からのエミッション
3.2 レーザ・プリンタと複写機からのエミッションの性質
3.3 健康の損壊
3.4 結論
4 文献(日本の論文2本を含む計29本の論文をリストアップ。
ドイツの最新論文は、ほぼもれなくリストアップ。英文論文9本を収録。)
スイス連邦政府の公式見解(資料 M-1471)において、「健康の観点からの一般的な推奨」に関しては、この SUVA 資料 M-1470 にリンクが貼られている。
納品可能な原文と翻訳資料(資料番号にてご注文下さい!):
①文献リスト以外のすべてを訳出
原文13頁+訳文10頁(A4サイズ)
資料番号 M-1470
※ 原文は全13頁で、最後の3頁は文献リスト。文献リストは訳出
せず、原文のまま添付する。
②「3.4 結論」のみを訳出
原文13頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1470A
2012年5月14日
「有害物質負荷:レーザ・プリンタからのトナー粉塵はどれだけ危険か」
原題:“Schadstoffbelastung: Wie gefährlich ist Tonerstaub
aus Laserdruckern?”
番組名:PULS(意味:「脈拍」)
放映局名:スイスの国営テレビ放送局SF
放映日時:2012年4月30日21:11~
番組の長さ:5m21s
独文和訳資料提供サービス
従来、ドイツの公営TV局はかなりの頻度で、繰り返し、この問題を製造者に批判的な態度で報道してきたが、このほど、筆者の知る限りでは初めて、スイスの国営TV局がこの問題を採り上げたので、その局のHPに掲載された番組についての情報を訳出、提供する。
番組の構成は、前半で、ドイツのフライブルク大学のメルシュ=ズンダーマン教授の研究室でレーザ・プリンタの排気を直接、肺細胞に吹き付けて、細胞分裂異常が発生する様子を示し、それが発がん性につながる可能性があることを示唆する。後半では、スイスの喘息もちの事務作業者の例を示すが、チューリヒの労働医学者エンスリン博士はレーザ・プリンタが原因と決め付けるのは尚早と述べる。また、連邦保健局のウェーバー博士にもインタヴューする。
原文4頁+訳文4頁(A4サイズ)
資料番号 M-1469
2012年5月7日
ドイツ化学品禁止政令(Chemikalienverbotsverordnung、
略称: ChemVerbotsV)
2012年2月24日付の官報による変更告示までを反映(それ以降、現在まで変更なし)
ドイツ連邦環境省(主管)
独文和訳資料提供サービス
ドイツの標記政令の正式名称は「危険な物質、調剤および製品の流通の禁止および制限に関する政令」。この名称が示すように、ドイツ市場への輸出のためには、物質、調剤、製品がこの政令に抵触しないことを確認しなければならない。
この政令はEU化学品法規を国内法化するだけでなく、それよりもきびしいドイツ独自の規制を含む部分があるので要細心注意(例えばダイオキシン規制(=臭素系難燃剤規制)、生体内耐久性をもつ繊維の規制)。
この政令が1年3ヵ月ぶりに改定されたので、以前の小職和訳(M-1241:Jan.
2011)をアップデートする。この改定は、ドイツ循環経済法の変更に伴い、付録の第4部:ダイオキシンおよびフランに関する法文の2箇所でマイナーチェンジが行われたのみで、新たにリストアップされた禁止物質はない。なお、このマイナーチェンジは、ダイオキシンおよびフランを規定値を超えて含有する物質・調剤・製品の流通禁止の例外条項に関するものである。
原則的に、ドイツ市場への物質、調剤あるいは製品の輸出に携わる企業は最新版の本政令を遵守する必要があるので、最新版の訳文を手元に揃える必要がある。ここでいう製品とは、化学企業の製品だけでなく、例えば、事務機器、家電製品、自動車など、文字どおりすべての製品を指す。なお、Google 検索によると最新版の和訳は日本ではまだ流布していない(流布しているのは、2008年
5月までの改定を反映するバージョン)。
納入品目:
①訳文33頁 ... M-1461J.doc ... 最新版の化学品禁止政令
②独語原文 ... M-1461.pdf ... 最新版の化学品禁止政令
③独語原文1頁 ... M-1461 変更官報告示テキスト.doc ... 変更部分の日本語訳付き
※ ドイツ法人からのご注文の場合のみ、ドイツ売上げ税法により、19% VAT を外税として加算させていただきます(勿論、還付可能)。
※ 過去に一度でも full price でドイツ化学品禁止政令の小職の訳文を購入されたお客様には Version Up 価格を適用させていただきます。
※ 過去の小職訳文:M-214, M-859, M-962, M-969, M-984, M-1000, M-1093, M-1103, M-1241。
2012年4月16日
『ケルンの幼稚園からPVCはほとんど姿を消す
-市当局が有害物質の少ない購買規定を導入』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2012年4月12日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
環境保護団体と消費者保護団体は、例えば、ビスフェノールAやフタル酸エステルのように、幼い子どものホルモン・システムに介入する可能性のある化学物質について繰り返し、警告を発してきた。これを受けて、ケルン市当局は、このほど、幼稚園と小学校に関する購買基準を変更したので、それについて報告する。
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1447
2012年3月26日
『電気式・空気圧式UFPフィルタ』
著者:ペーター・エルトマン
独文和訳資料提供サービス
資料 M-1435(下隣に紹介文)で述べたように、ドイツで最近、レーザ・プリンタと複写機の動作によって排出される微細粉塵(UFP)の90%を捕捉するというフィルタが発明された。そこで発明者から、そのフィルタの動作原理およびその効果を示す、第三者による測定結果の説明文を取り寄せて、訳出する。
原文5頁+訳文5頁(A4サイズ)
資料番号 M-1436
2012年3月19日
『複写機とレーザ・プリンタから排出される微細粉塵はどれだけ危険か』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2012年3月19日放送
番組名:今話題の研究(Forschung aktuell)
独文和訳資料提供サービス
レーザ・プリンタと複写機は微細粉塵を排出する。しかし、それが危険なのか否か、またどれだけ危険なのかについては決着がついておらず、また多くの場合にそれは不明である。というのは、長期間研究がまだ行われていないためである。
この問題について、ライプチヒ大学病院の環境医学・衛生学教室のオルフ・ヘルバルト教授、ライプチヒのヘルムホルツ環境研究所の環境疫学者ウルリヒ・フランク博士およびコニカミノルタ社の環境担当者アクセル・ホルツハウアー氏の意見を紹介する。
そうこうする間に、ドイツで最近、レーザ・プリンタと複写機の微細粉塵の90%を捕捉するというフィルターが発明された。この番組はその発明者と動作原理を紹介し、上記のヘルバルト教授とフランク博士がそのフィルターを支持する理由を述べる。
原文2頁+訳文3頁(A4サイズ)
資料番号 M-1435
2012年2月8日
『抗菌処理を施した衣類は環境と健康によくない
-スウェーデンが研究結果を発表』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2012年2月7日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
繊維中に抗菌物質があると防臭効果が発揮される。これは、よいことのように聞こえるが、スウェーデンの研究によると、その内容物質がヒトと環境によくない結果をもたらしうることが分かった。この研究はスウェーデン化学品庁、通称KEMI(http://www.kemi.se)が発表したもので、抗菌物質としては、銀および二つの塩素化合物、トリクロサンとトリクロカルバンを検討した。KEMIの英文プレスリリースのリンクを脚注に記す。EUの規制にも言及する。
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1425
2012年1月12日
『オクチルフェノールが内分泌かく乱物質としてはじめてREACHのSVHC候補としてリストアップされる』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2011年12月13日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
標記の出来事はEUの化学品政策の突破口だと言われているが、その理由について、ドイツ連邦環境庁(UBA)の化学品の専門家であるクリストフ・シュルテ博士にインタヴューする。また、SVHC候補としてリストアップされることの消費者ならびに化学品製造者にとっての意味を明らかにする。
※ SVHC(Substances of very high concern)= 高懸念物質
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1389
2011年12月5日
『レーザ・プリンタ、危険でないというのは間違い、軽視されるリスク』
原題:“Laserdrucker - nicht ungefährlich. Die verharmloste Gefahr”
番組名:plusminus
放映局名:ドイツの公営テレビ放送局ARD
放映日時:2011年11月30日, 21:45~
番組の長さ:6m13s
独文和訳資料提供サービス
ドイツの公営テレビ局ARDは2011年11月30日の報道番組でこの問題を取り上げ、レーザ・プリンタあるいは複写機のために健康を害して職を失ったと称する二人(一人はIT専門家の男性、もう一人は秘書の女性)にインタヴューする。
その原因について、連邦環境省の見解とそれとは対照的な、キール大学毒物学教室のヘルマン・クル-ゼ博士の見解を紹介する。
また、被害者の団体であるナノコントロール財団のアッヒム・ステルティング氏にインタヴューする。財団のデータベースには、レーザ・プリンタのために病気になったと称する2500人以上が登録されている由。死亡例も出ていると称する。
さらに、最近、レーザ・プリンタの排出する超微細粒子(UFP)の研究を完結させたBAM(連邦材料試験所)のシュテファン・ゼーガー博士にインタヴューするが、博士はいくつかの機器はプリント頁あたり80億個の粒子を室内空気中に放出すると証言する。何も知らない消費者がこの数を聞くと、どのように反応するであろうか。さらに、同博士はプリンタ間のUFP放出個数の相違にも言及する。ステルティング氏はUFP放出個数の極端に多いプリンタは市場からリコールすることを提案する。
また、ドイツの事務機械工業会 BITKOM はインタヴューを拒否し、通り一遍の《回答書》を呉れただけだった、と述べる。その回答書の中身を紹介する。
この資料は、ドイツ語の番組を直接、日本語に翻訳して提供する。番組そのものはARDのhpにアップされており、次のリンクにより、日本からでも観ることができる:
http://mediathek.daserste.de/sendungen_a-z/432744_plusminus/8916484_laserdrucker-nicht-ungefaehrlich-die?buchstabe=P
訳文には段落毎に番組の最初からの経過時間(_m_s)を記し、訳文を字幕として見ながら、番組(画面左下に経過時間表示)を観れば、内容を理解できるように工夫する。
日本語訳文4頁
資料番号 M-1387
関連資料:
① M-1242(お知らせ No. 463, 2011年1月24日)
・・・ドイツの公営TV局ndrのTV番組『もしもレーザ・プリンタが病気の原因ならば』(12m07s)
② ドイツの公営TV局ZDFの環境番組“zdf-Umwelt”が、特集「トナーで病気に」(5m28s)を放映:2011年9月18日。これの内容は望月が日本講演で 2011年11月に紹介した。
※ 重要なことは、ドイツの公営TV局がかなりの頻度で、繰り返し、この問題を製造者に批判的な態度で報道しているという事実である。TV局だけでなく、PC雑誌にも同様の傾向が見られる。
2011年10月12日
『食品包装中のビスフェノールAを全面禁止 - フランスが欧州の先駆者役を引き受ける』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2011年10月11日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
フランス政府は、食品包装中のビスフェノールAを法律で全面禁止する意向である。この化学物質は特定のプラスチックに含まれており、生殖機能とホルモンシステムに有害な影響を及ぼす(とくに新生児、乳幼児、おそらく胎児にも)。
欧州ではデンマークだけがすでにこの禁止を立法済みだが、しかし、それは3歳児以下の子ども用の製品のみを対象としている。
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1376
2011年9月2日
『微粒子に注意!
- 環境問題諮問委員会がナノ材料に関する鑑定書を手渡す』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2011年9月1日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
ナノ材料は21世紀のカギとなる技術と言われ、既に、医薬品、化粧品、表面処理、潤滑剤、スポーツ用品、環境改善、エネルギー、情報通信、化学、農業、食品、繊維など広い範囲で使われ始めている。しかし、1ミリメートルの百万分の一よりも小さい粒子は次々に新しい問題を投げ掛けている。
環境問題諮問委員会(ドイツ連邦政府が1971年に設立した環境政策のための学者サイドからの政策助言機関)は、2011年9月1日に連邦環境相に手渡した鑑定書の中で、ナノ材料の長所とリスクを比較検討する。また、それは、ナノ材料がヒトの健康にとってリスクを意味するかぎり、それに関して予防原則に基づいた認可手続きを導入する必要があると述べる。
この鑑定書に関する連邦環境省プレスリリース(望月資料 M-1358 として訳出提供済み)が、環境省の立場からのコメントに終始してやや一面的なのに対して、この番組は、本件の消費者にとっての意味に焦点を置いていて理解しやすい。
なお、鑑定書の「第4.3.8.1.6章 自然科学的なリスク評価のまとめ」には、「カーボンブラックは、レーザ・プリンタと複写機のトナーの中で使われている」という一文がある。鑑定書のドイツ語原文(全643頁)の入手URLは次のとおり:
http://www.umweltrat.de/SharedDocs/Downloads/DE/02_Sondergutachten/2011_09_SG_Vorsorgestrategien%20f%C3%BCr%20Nanomaterialien.pdf?__blob=publicationFile
また、鑑定書の結論部分の英訳(全8頁)は無償で入手できるが、そのURLは訳文脚注に記載する。その内容は、ナノ材料への予防原則の適用に関する。
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1359
2011年9月1日
ドイツ連邦環境省プレスリリース(111/2011):
ナノ材料のための予防戦術
- 特別鑑定書がチャンスとリスクを調べる
発表日:2011年9月1日
独文和訳資料提供サービス
環境問題諮問委員会(SRU: http://www.umweltrat.de/, 英語ボタンあり)は、ドイツの環境政策のために学者サイドからの政策助言を得ることを目的に設立された最初の機関である。これは連邦政府が 1971年に設立した。
SRU の特長は、その学際性にある。SRU は、相異なる学問分野において環境問題を追究する7人の大学教授により構成される。それらの委員は連邦政府が4年任期で任命する。→ 委員プロフィール(英文):http://www.umweltrat.de/cln_135/EN/TheGermanAdvisoryCouncilOnTheEnvironment/CouncilMembers/councilmembers_node.html。
SRU は鑑定書や見解書などを発表するが、そのテーマは SRU が自らの考えでその時々の環境政策にとって重要と判断するテーマであって、政府が与えるテーマではない。このようにして、SRU は、特定の政党や業界の利害に左右されることなく、ドイツ政府に環境問題に関して学際的に見て最善と考えられる助言を与えてきた。
その SRU が
2011年9月1日に『ナノ材料のための予防戦術』というタイトルの特別鑑定書(約600頁)を連邦環境大臣レトゲン氏に手渡した。ナノ材料の分野ではドイツは世界でもトップ・グループに属し、関係企業は900社、雇用数は60,000を超す。しかし、ナノ材料はそのヒトと環境に対するリスク面が十分に解明されていない。この鑑定書はそれへの取り組みのために指針を与える。このプレスリリースは連邦環境省としてそれをどのように受け止めるかを述べる。
原文1頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1358
2011年8月25日
連邦環境省がマニュアルを発表
- 食品の製造でのダイオキシンとPCBの混入を防ぐ
ドイツ連邦環境省プレスリリース(107/2011)
発表日:2011年8月24日
独文和訳資料提供サービス
ドイツ連邦環境省は2011年8月24日に、食品の製造におけるダイオキシンとPCBの混入を防ぐための、家畜(鶏、牛、羊、豚)の飼育者を対象とするマニュアルの改訂版を発表した。そのきっかけは、2011年7月にブラッセルで決議され、2012年1月1日から適用される、食品中の健康に有害なダイオキシンとPCBに関する、EU全域で法的拘束力をもつ最大濃度(規制値)と自主的に適用すべき引き起こし値(早期警報システム)に関する新しい規制である。
とくに食品中のダイオキシンに似ていないPCBの規制値が従来はEU加盟各国でまちまちだったのを統一したこと(これはドイツにとっては従来の規制値の引き下げを意味する)および乳幼児のための食品中のダイオキシンとダイオキシンに似たPCBに関して予防原則の立場からはじめて規制値を定めたことは、消費者の健康保護と食品安全性にとって著しい進歩である。
マニュアルの独語原文の入手URL(A4 x 56頁):
http://www.bmu.de/files/pdfs/allgemein/application/pdf/broschuere_dioxin_leitfaden_bf.pdf
原文1頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1351
2011年8月18日
ヒューマン・バイオモニタリングでドイツ連邦環境省(BMU)とドイツ化学工業会(VCI)が協力を継続
BMUとVCIの合同プレスリリース
2011年8月18日付
独文和訳資料提供サービス
BMUとVCIとは、2010年より、ヒトの組織から吸収される物質に関する知見を改良するために、合同のプロジェクトを進めている。両協力パートナは、今回、まずは測定方法を開発する必要のある5つの物質を選んだ。それらの5物質は次の各号(ドイツ語のまま表記する):
3-(4-Methylbenzyliden)-campher
N-Methyl-2-pyrrolidon
N-Ethyl-2-pyrrolidon
2-Mercaptobenzothiazol
Diphenylmethan-4,4'-diisocyanat。
これ以上の詳細は訳文を参照されたい。
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1349
2011年8月16日
【解説】ドイツではレーザ・プリンタと複写機から排出される微細粉塵あるいは超微細粒子(UFP - ultra fine particles)のヒトの健康への悪影響が問題視されており、労働衛生の管轄官庁であるドイツ連邦労働保護・労働医学庁
(BAuA)がリスク・アセスメントに基づいて意見書『作業場におけるプリンタと複写機からのエミッションによる発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策』(発表:2011年2月1日、望月資料 M-1250)など一連の指示を出して、連邦法である化学品法の下にある危険物質政令の枠内で対策に取り組んでいる。
望月は、BAuA の文書に限らず、これ関係のドイツ語文書を広く収集して、その日本語訳を提供してきた。それらは望月hpの化学品安全に関するサイト(この頁!):
http://www.mochizuki.de/%E6%9B%B4%E6%96%B0%E6%83%85%E5%A0%B1-1/3-%E5%8C%96%E5%AD%A6%E5%93%81%E5%AE%89%E5%85%A8/
にて検索語《プリンタ》で検索すると洩れなくリストアップできる。
BAuA の本件に関するリスク・アセスメントの中心的な仕事は独立のコンサルタントであるマルコス・ロラー博士が遂行している。例えば、BAuA から2008年に刊行された報告書「ナノ粒子とその他の粉塵の発がん性の作用に関する研究」(全310頁)も同博士が作成した。
このロラー博士が自分のhpで「微細粉塵」と「ナノ粒子・ナノ物質」のリスクに関する米国、EUおよびドイツの基本的な考え方を簡潔に解説しているので、その文章を訳出して提供する。
1. 『微細粉塵』
執筆者:マルコス・ロラー博士
発表場所:同博士hp(2011年8月現在)
独文和訳資料提供サービス
「トナー」という語が二箇所で現れる。
原文2頁+訳文3頁(A4サイズ)
資料番号 M-1344
2. 『ナノ粒子・ナノ物質』
執筆者:マルコス・ロラー博士
発表場所:同博士hp(2011年8月現在)
独文和訳資料提供サービス
「トナー」という語が一箇所で、「カーボンブラック」という語が二箇所で現れる。
原文2頁+訳文4頁(A4サイズ)
資料番号 M-1345
2011年8月12日
非難を浴びるREACH-科学者が産業界のデータを批判
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2011年8月1日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
EUの化学品規則REACHは、2006年に、EUにおけるすべての「高懸念」物質を精査すると約束した。例えば、発がん性の物質あるいはホルモン・システムに影響を及ぼすすべての物質は、そのために、調査しなくてはならない。しかし、現在、これに関しては、不備がますます目立つ。
ドイツ連邦環境庁(UBA)のフラスバルト長官が、自分はREACHの支持者だが、と前置きして、どのような不備が目立つのか、また産業界のREACH対応に何を期待するか、管轄官庁の対応の現状、REACHの将来について語る。なお、ドイツでは UBA, BAuA, BfR の3つの官庁がREACHを管轄する。
原文2頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1335
2011年7月21日
食品中のダイオキシンとPCBの最大許容濃度に関するEUの提案の評価
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
2011年1月21日付の見解書 No. 29/2011
発表:2011年7月20日
独文和訳資料提供サービス
消費者がダイオキシンとPCBを摂取する最大の源は、ミルク、肉あるいは魚といった動物性の脂肪である。これらの食品のダイオキシンとPCBによる負荷の強さは相異なるので、EU委員会は、16種類の食品カテゴリー別に最大許容濃度を定める内容の提案を発表した。それらの最大許容濃度は毒性学的に定められたのではない。最大許容濃度の決定は、食品カテゴリー毎の平均的なバックグラウンド負荷を勘案して行われた。目的は、消費者を平均を超える負荷をもつ食品から保護することである。
EU委員会は、欧州食品安全庁(EFSA)の所蔵するデータに基づいてこれを決定したが、BfRはそれをドイツのダイオキシン・データバンクのデータと比較して、その妥当性を検討し、その結論を見解書として発表する。
原文17頁+訳文は18頁前後の予定(A4サイズ)
資料番号 M-1330
2011年6月20日
「第18回 室内空気品質会議」資料集
2011年5月31日、ベルリンにて開催
独文和訳資料、独文原文資料、講演録音、講演スライド写真などの提供サービス
「室内空気品質会議」は、2009年6月には連邦環境省(BMU)と連邦環境庁(UBA)の共催でベルリンで催されたが、今回は、水・土壌・空気衛生協会の主催で、UBAを共催者として、ベルリンのUBA庁舎にて行われた(2011年5月30日~6月1日)。このような開催形態によって、参加が有料になった。
今回の「第18回 室内空気品質会議」は、次の4部構成:
第1部 学校建物の室内空気の品質
第2部 建築材料
第3部 省エネ電球からの水銀エミッション
第4部 プリンタからのエミッション。
すなわち、前回同様、レーザ・プリンタからのエミッションの健康問題が4大テーマの一つである。今回の「第4部 プリンタからのエミッション」では、前回とは異なり、医学者と被害者代表は講演者として招かれなかった。その内容は次のとおり(講演の言語はすべてドイツ語):
2011年5月31日
14:30-
1) Measurement and characterization of UFP emissions from hardcopy devices in operation - BITKOM プロジェクト最終報告
プレゼン・スライド:英語(講演はドイツ語)
ヴェンジング博士(M. Wensing; 33 slides) WKI ... 講演者
ザルトハンマー博士(T. Salthammer) WKI ... 共著者
内容:BITKOM の委託を受けて WKI が実行した研究プロジェクトの最終報告。2011年1月14日に BITKOM が英独バイリンガルで発表した内容であり、とくに新しい情報は含まない。
15:10-
2) UFPエミッションを考慮した事務印刷機器の試験方法(ブルーエンジェル)- BMU/UBA 研究プロジェクト最終報告プレゼン・スライド:ドイツ語
ゼーガー博士(S. Seeger; 26 slides) BAM:試験方法と定量分析
バルテル博士(M. Barthel; 19 slides) BAM:アエロゾルの化学分析
ツルナー博士(J. U. Thurner; 5 slides) UBA:ブルーエンジェル
内容:BMU/UBA の委託を受けて BAM が実行した研究プロジェクトの最終報告書は正式には、2011年8月末に発表されるが、今回はそれを非公式に事前発表。結論は、BITKOM-WKI の研究のそれに酷似。ツルナー博士は、授与基準書 RAL-UZ 122 のための UFP 規準値案(UBA の室内空気衛生委員会(IRK)の推奨、2011年3月29日付)および UZ 122
改定スケジュールを5枚のスライドで説明。
16:20-
3) 上記の二つの研究プロジェクトから得られる結論
プレゼン・スライド:ドイツ語
ラーム博士(B. Lahm; 18 slides) BITKOM (hp)
内容:上記の二つの研究プロジェクトの結論に基づいてセット・メーカーの見解を述べる。
17:00-
4) 本日の総括
プレゼン・スライド:なし
モリスケ博士(H.-J. Moriske) UBA
「第4部 プリンタからのエミッション」に関して次の各号を提供する:
① すべての講演の録音(Σ(WMA)= 71 MB)
② すべての講演のプレゼン・スライドのデジタル写真(Σ(JPG)= 13MB)。UBAの会議室のプロジェクタが旧式のもので輝度が低いため、とくに前半は判読困難なスライドがある。しかし、主催者からスライドを電子データで入手できることになっているので、入手次第、電子データを追加納入。
③ ツルナー博士の授与基準書 RAL-UZ 122 に関する5枚のスライドの日本語訳。
④「第18回 室内空気品質会議」プログラム(ドイツ語)
⑤「第18回 室内空気品質会議」参加者名簿(これによると、セット ・メーカーからの参加者はhpのラーム博士ただ一人)
資料番号 M-1310
ご注文の方法:上記の5点の資料の購入をご希望の方は、資料 M-1310 とお書き添えの上、メールにてお申し込み下さい。※分売はいたしません。
追伸:
レーザ・プリンタと複写機のブルーエンジェル授与基準書 RAL-UZ122 の改定にとっては、今回、UBA のツルナー博士が発表された《UZ122 のための UFP(超微細粒子)規準値案(UBA の室内空気衛生委員会(IRK)の推奨、
2011年3月29日付)》に関する詳細情報、とくにUFP規準値案の根拠がもっとも気になるところと存じますが、本日(6/20)、同博士より、詳細情報を入手しましたので、それを博士のプレゼンの脚注として全訳提供させて頂きます。なお、UFP 規準値は、市場にあるレーザ・プリント機器の 1/3 のみがこれをクリアできるように設定したとのことす。
望月浩二、2011年6月20日
2011年3月23日
ドイツ連邦労働保護・労働医学庁 (BAuA)の見解書『作業場におけるプリンタと複写機からのエミッションによる発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策』(発表:2011年2月1日、望月資料番号 M-1250)によると、作業場における発がん性物質に関する容認リスク (acceptable risk)値は、現在は、肺胞到達粉塵負荷については、部屋の空気、一立米あたりで 60μg
だが、早ければ 2013 年に、遅くとも 2018 年に、現在の一立米あたり 60μg から一挙に1/10の 6μg に引き下げられる。
これに対して、今までに知られている負荷データによると、プリンタと複写機の動作時の事務作業場の室内空気は、肺胞到達粉塵負荷を部屋の空気、一立米あたりで最大 7μg 含む。サービス要員の作業環境ではこの値は、 50μg、トナーカートリッジのリサイクルではこの値は、60μg
である。したがって、今までに知られた負荷は、現在のところは容認できる範囲に収まっている。しかし、上記の「引き下げ」の後では、6μg という容認リスク値は満足できなくなる。その場合には、上記の見解書の指示により、事務作業場でレーザ・プリンタと複写機を使用するためには、上記の見解書の第4章「保護対策」の指定する、現在のところ2種類の「指示書」の内容を遵守すること。
その内容は大きく言って、事務作業場の労働衛生責任者が遵守するべき項目と機器製造者が遵守するべき項目とからなるので、日本の機器製造者も、容認リスク値の引き下げ後も、レーザ・プリンタや複写機をドイツ市場に上市する意向であれば、当該項目を指定期限までに遵守する必要がある。以上の内容は、望月の資料番号M-1250に関するお知らせ(No. 479)で既報のとおり。
今回は、上記の事務作業場のための2種類の「指示書」を訳出して、提供する。早ければ 2013 年から、両方とも遵守する必要がある。
フライヤー『作業場でのトナー粉塵負荷を避ける』
ドイツ連邦労働保護・労働医学庁 (BAuA)
発表:2009年9月
独文和訳資料提供サービス
ドイツ語原文、全2頁(小型活字)+ 日本語訳文、全3頁
資料番号 M-1271
『保護の手引き130:プリント、複写』
ドイツ連邦労働保護・労働医学庁 (BAuA)
発表:2010年10月1日
独文和訳資料提供サービス
この文書はチェックリスト形式になっている。
ドイツ語原文、全2頁(小型活字)+ 日本語訳文、全3頁
資料番号 M-1272
2011年3月22日
『作業場におけるプリンタと複写機からのエミッションによる発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策』
ドイツ連邦労働保護・労働医学庁 (BAuA)
発表:2011年2月1日
ドイツ語原文、全6頁(小型活字)+ 日本語訳文、全14頁
+ 資料番号 M-1250 と資料番号 M-1124 の日本語訳文を二段組
で比較対照できるようにし、変更部分に色マーキングを施した資料、全14頁
資料番号 M-1250
独文和訳資料提供サービス
この BAuA の意見書というステータスの文書は、多数の最新の研究文献(日本の文献も含む)により、次の文書をアップデートする:
『作業場のトナー粉塵による発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策』
ドイツ連邦労働保護・労働医学庁 (BAuA)
発表:2008年12月11日
ドイツ語原文、全4頁(小型活字)+日本語訳文、全8頁
資料番号 M-1124
以下には、このアップデートを発表した BAuA の2011年2月1日付のウェブサイトの記述を訳出する:
『世間は、プリンタ、複写機およびトナー粉塵のエミッションによる事務所の作業者への危害の可能性を繰り返し話題にしている*)。BAuA
*) 望月注:世間とはここでは、ドイツの公営TV局の特集番組やコ
ンピュータ雑誌の記事などを指す。
は、この状況に関する健康危害の可能性の評価をアップデートして、それを BAuA
ウェブサイトで発表した。その評価は、今までに知られている負荷データを基にする。それによると、事務所の作業者は心配をする必要はない。このことは、粉塵負荷を適切な対策によって低く抑えてやるならば、サービス要員とリサイクル事業所の作業員にもあてはまる**)。「トナーカートリッジのために忍び寄る死」というよ
**) 望月注:正しくは、「このことは、とくに粉塵負荷を適切な対策によって低く抑えてやらなくても、サービス要員とリサイクル事業所の作業員にもあてはまる」。理由:両者とも実際の負荷データが 60μg 以下。→ 下の文章****)を参照。
うなタイトルが、レーザ・プリンタと複写機を使って作業する、多くの作業者を不安にしている。このような報道の背景は、トナー粉塵が発がん性の作用を示した動物実験である。しかし、プリンタ、複写機、トナー粉塵の粒子粉塵エミッションのために作業者ががんを発症するリスクは非常に小さい。連邦労働省の危険物質委員会(AGS)が最近に決定した***)、作業場における発がん性物質に関する容認リスク(acceptable
risk)値は、肺胞到達粉塵負荷が部屋の空気、一立米あたりで 60μg に達してはじめて超過される。
***) 望月注:AGS の告示第910号(独語版、英訳版とも文献リストにダウンロードのためのURLを記載)
今までに知られている負荷データによると、プリンタと複写機の動作時の事務作業場の室内空気は、肺胞到達粉塵負荷を部屋の空気、一立米あたりで最大 7μg 含む。サービス要員の作業環境ではこの値は、50μg、トナーカートリッジのリサイクルではこの値は、60μg である。したがって、今までに知られた負荷は、現在のところ容認できる範囲に収まっている。****)』(BAuA
の2011年2月1日付のウェブサイトの記述終わり)
しかし、上に訳出したBAuA の2011年2月1日付のウェブサイトの記述は非常に重要な情報を述べていない。すなわち、この記述によるならば、現在のところ、アクションをとる必要はないと誰しも理解するであろう。しかし、それは、早ければ 2013 年までのことに過ぎない。なぜならば、上述の容認リスク値が早ければ 2013 年に、現在の一立米あたり 60μg から一挙に 1/10 の 6μg
に引き下げられるからである。そうなれば、サービス要員やトナーカートリッジのリサイクルの作業環境はもちろんのこと、事務作業場の室内空気ですら、容認リスク値を超過する。2013 年が目と鼻の先であることを考えるならば、そのことに触れない、上記の文章は大きな欠陥を含むと言えよう。
※ 上記の文章ではなく、この BAuA の意見書(資料番号 M-1250)はもちろん、早ければ2013 年からの引き下げにはっきりと言及する。
早ければ 2013 年から、遅ければ 2018
年から容認リスク値が引き下げられるまでは、機器製造者にはアクションの必要はないが、引き下げとともに、事務作業場およびサービス要員やトナーカートリッジのリサイクルの作業環境では、この意見書の第4章「保護対策」の述べる対策を実施しなければならない。とくに、事務作業場では、この章の指定する、現在のところ2種類の「指示書」の内容を遵守すること。その内容は大きく言って、事務作業場の労働衛生責任者が遵守するべき項目と機器製造者が遵守するべき項目とからなるので、日本の機器製造者も当該項目を指定期限までに遵守する必要がある。なお、この2種類の指示書は望月が近日中に訳出、提供の予定。
2011年3月1日
BfR見解書『天然のミネラルウォータ中から検出される物質のホルモン類似の作用に関する諸研究をBfRが評価する』からの抄訳
発表者:BfR
見解書日付:2011年2月2日
独文和訳資料提供サービス
ドイツの連邦リスク評価研究所(BfR)は、連邦食料・農業・消費者保護省の配下にあり、同省を食品安全、製品安全、化学品安全および消費者保護について学問的に補佐することを使命とする。
BfR は2011年2月25日に標記の見解書を発表したが、それは全10頁にも及ぶため、訳者がそれを次の各号を含む全4頁のドイツ語文にまとめ、それを訳出し、マルチクライアント頒布価格で提供する:
* BfR による「要約」の全文
* BfR による「結論と推奨」の全文
* 次のキーワードを含むすべての段落:
「PET」・・・全部で9箇所で言及。
「アンチモン」・・・全部で1箇所で言及。
全10頁の訳文をご希望の場合にはご相談下さい。その場合には、多分、シングルクライアント価格になりますが、お見積もりいたします。
なお、文献には6つの日本の論文もリストアップされている。
原文4頁+訳文5頁(A4サイズ)
資料番号 M-1266
2011年2月17日
『食品接触材料に関する BfR の推奨に関するQ&A』
発表者:BfR
発表:2011年2月15日
独文和訳資料提供サービス
ドイツの連邦リスク評価研究所(BfR)は、連邦食料・農業・消費者保護省の配下にあり、同省を食品安全、製品安全、化学品安全および消費者保護について学問的に補佐することを使命とする。
BfR の前身である連邦保健局は 1952 年に、有名な『食品接触プラスチック材料に関する推奨』の発行を開始した。これは現在は、『食品接触材料に関する BfR の推奨』という名称に変わっている。
この『推奨』について寄せられた代表的な質問に対する BfR の回答をQ&A形式でまとめた文書がこのほど発表されたので、訳出、提供する。全部で18の質問を以下に訳出する:
① 日用品とは何を指しますか。
② 食品接触のための材料と物とは何を指しますか。
③ 食品と接触する材料のための BfR の推奨とは何ですか。
④ BfR の推奨ではどのような材料が扱われていますか。
⑤ BfR の推奨はどのような法的ステータスをもちますか。
⑥ ある物質が BfR の推奨に取り入れられるように申請するにはどうすればよいですか。
⑦ 食品接触のための材料に関する BfR の推奨のデータバンクにアクセスするにはどうすればよいですか。またその際には、どのような条件に注意する必要がありますか。
⑧ BfR の推奨に関して日用品に関する BfR 委員会はどのような役割を果たしますか。
⑨ BfR は、食品接触のための材料の製造のための物質の認可を管轄しますか。
⑩ 食品と接触する材料に関して、EUレベルで認可手続きがあるのはどのような領域ですか。
⑪ 食品と接触する材料の中で使われる物質の認可の申請書はどの機関に提出するのですか。
⑫ BfR は、飲料水と接触する材料も管轄しますか。
⑬ BfR は、食品・日用品・飼料法典(LFGB)の意味での日用品に関する法的の判断に関する質問に回答しますか。
⑭ BfR は、ドイツで上市されている日用品を監視しますか。
⑮ BfR は、食品接触に適する材料に関する推奨を与えることができますか。
⑯ BfR は、法人あるいは個人の申請に応じて、材料または日用品を試験しますか。
⑰ BfR は、試験企業を推奨しますか。
⑱ 食品接触材料に関する要求の遵守確認のための検査のための分析方法はどこにありますか。
原文5頁+訳文7頁(A4サイズ)
資料番号 M-1259
2011年2月14日
『プレスリリース 11/11
サービス:安全にプリント/コピーする』
ドイツ連邦労働保護・労働医学庁 (BAuA)
発表:2011年2月14日
独文和訳資料提供サービス
ドイツでは、オフィスのレーザ・プリンタと複写機からのエミッションによる健康損壊の可能性が話題になる昨今、日々、こういった機器を利用する作業者の多くは不安に駆られている。そこで連邦労働省配下で労働衛生の管轄官庁である BAuA は、このテーマに関する最新の情報を提供するインターネット・サイト:
http://www.baua.de/tonerstaub
を開設した。※ tonerstaub はドイツ語でトナー粉塵の意味。
このプレスリリースは、このサイトの提供する情報を紹介する。その中には、どのようなラベルの付いた機器を購入するべきかという情報もある。
ドイツ語原文、全2頁+日本語訳文、全2頁
資料番号 M-1257
2011年2月14日
最終報告書“Measurement and characterization of UFP emissions from hardcopy devices in Operation”の要約
注文/発表者:BITKOM
作成者:フラウンホーファWKI研究所
発表日:2011年1月14日
独文和訳資料提供サービス
標記の研究は、ドイツの業界団体 BITKOM の注文を受けて、フラウンホーファWKI研究所が2年がかりで実行した。この要約は表紙部分の2頁は英文だが、肝心の要約部分の3頁はドイツ語文なので、それを独文和訳して提供する。
原文3頁+訳文2頁(A4サイズ)
資料番号 M-1256
2011年1月26日
ドイツにおける、レーザ・プリンタと複写機のある作業所の労働衛生に関する現行の規制は、労働衛生の管轄官庁である連邦労働保護・労働医学庁(BAuA)が定義する、一立米の室内空気あたりの、肺胞に到達可能のトナー粉塵の量に関する容認リスク(acceptance risk)という基準値である。この値は現在は 60μg だが、早ければ 2013 年からは 6 μg に引き下げられる。詳細は望月報告書、資料番号 M-1214 を参照。
M-1214 の概要は次に掲載:http://www.mochizuki.de/3_auoiyo.php。(このhp!)
この規制に正しく対応するためには、BAuA の意味での「肺胞に到達可能のトナー粉塵の量」を測定する方法が出発点となる。そこで、BAuA 担当官に、そのための文献の紹介をお願いしたところ、次の二つの文献を推奨したので、それらをドイツ語原文から日本語に翻訳して提供する。
なお、BAuA 担当官によると、得られた測定値の評価は、BAuA 発行の危険物質技術規則 TRGS 402「危険物質を用いる作業による危害の決定と評価:吸入による曝露」によって行うが、この TRGS は現在、BAuA が英訳版を作成中とのこと(完成すれば無償で提供される)。
1. 『粉塵測定技術、当時から今日まで』
著者:カールステン・メールマン(物理学者)
所属:ドイツ労災保険労働保護研究所(IFA)
(http://www.dguv.de/ifa/de/index.jsp#)
所載:Gefahrstoffe - Reinhaltung der Luft(危険物質-空気の
清浄度の維持), 2005年5月号, p.191-194, Springer-VDI 出版社
独文和訳資料提供サービス
原文4頁+訳文8頁(いずれもA4サイズ、原文は小さい印刷活字)
資料番号 M-1243
2. 『粉塵の測定技術』
著者:M.ベルゲス
所属:ドイツ労災保険労働保護研究所(IFA)
講演日:2002年2月25-26日
独文和訳資料提供サービス
原文19頁+訳文19頁(PowerPoint Presentation)
資料番号 M-1244
2011年1月24日
『もしもレーザ・プリンタが病気の原因ならば』
ドイツの公営TV局ndr(北ドイツ放送、在ハンブルク)
放映日時:2010年11月3日21:00~
放映持続時間:12m07s
番組名: Menschen und Schlagzeilen(大見出しの人々)
独文和訳資料提供サービス
ドイツの公営テレビ局ndrは2011年11月3日の報道番組でこの問題を取り上げ、23年間、法律事務所で事務職に従事し、最後には呼吸困難の病気のために仕事を辞めなければならなかったエルケさんという女性をスタジオに招いて話を聴いた。スタジオには多数の視聴者が聴衆として集まり、そこで司会のアナがゲストと問答する形式である。
彼女の呼吸器科の主治医の診断では、レーザ・プリンタの直ぐ脇で長年、プリンタ排気に曝露したために、排気中のナノ粒子が肺胞に炎症を起こしたのが原因であろうとのこと。取材チームはハンブルク大学の化学科教授にも取材。
ndrの取材チームがドイツの事務機械工業会に相当する業界団体BITKOM にレーザ・プリンタの健康問題に関してインタヴューを申し込んだところ、断られ、仕方なく質問状を送ったところBITKOM はその質問状を無視し、出来合いのパンフレットとFAQリストを送ってきただけであった。ndrはこの対応を「恥知らず(unverschähmt = engl.
shameless)」と形容する(これはドイツ語では非常に強い非難の表現)。そのパンフレットの結論文:『レーザ・プリンタは正しく使用するならば、ユーザにとって健康上のリスクは存在しない』。
放送局のインタヴューは断り、放送局の質問状は無視し、出来合いの「健康リスクは存在しない」という資料を送りつけるだけ、という硬直した対応は番組中でありのままに報告されたが、これでは
BITKOMは消費者の理解を得られないのではと危惧される。取材チームを激怒させたこの対応のお返しは、番組冒頭のアナウンサーの次のイントロである:「レーザ・プリンタは紙を出力するだけではなく、毒物も出力します」。この泥仕合はまさに見るに堪えない。放送局のインタヴューは、業界の努力を消費者に伝えるための絶好のチャンス(しかも無料の)と捉えて、快く受け入れ、業界の研究結果を丁寧に分かりやすく説明していたらと悔やまれる。
BITKOM にはそういった対応のできる人材がいないのであれば、JBMIA のエミッション評価法検討WGがサポートしてもよいのではなかろうか(質問状への回答ならばドイツ出張しなくても可能)。
取材チームはエルケさんの自宅にも取材したが、定年間近の彼女は立派な自宅になに不自由なく暮らしており、実直そうな人柄で、その彼女が医師と共謀して補償金目当てにウソをつくとは想像し難い。真相は番組だけでは分からないのは当然だが、一般の視聴者はそういうふうに受け止めたことであろう。
番組の後半では、ハンブルクの消費者センターという中立の組織(これは連邦消費者保護省の外郭団体でドイツ各地にある)のプリンタと複写機の健康問題に詳しい専門家がスタジオで司会者の質問に答える。
ndrのhpは番組原稿をアップしなかったので、ドイツ語の番組を直接、日本語に翻訳する。番組そのものはndrのhpにアップされており、次のリンクにより、日本からでも観ることができる:
http://www.ndr.de/fernsehen/sendungen/menschen_und_schlagzeilen/videos/menschenundschlagzeilen729.html。
訳文には段落毎に番組の最初からの経過時間(_m_s)を記し、訳文を字幕として見ながら、番組(画面下中央に経過時間表示)を観れば、内容を理解できるように工夫する。
日本語訳文5頁
資料番号 M-1242
関連資料:M-1183(お知らせ No. 424, 2010年3月3日)
ドイツの公営TV局zdfのTV番組『オフィスの危険-プリンタが病気の原因』(7m49s):
http://www.zdf.de/ZDFmediathek/beitrag/video/986614/Gefahr-im-Buero----Drucker-machen-krank-#/beitrag/video/986614/Gefahr-im-Buero----Drucker-machen-krank-
2011年1月20日
ドイツ化学品禁止政令(Chemikalienverbotsverordnung、略称: ChemVerbotsV)
2010年11月30日付の官報による変更告示までを反映(それ以降、現在まで変更なし)
ドイツ連邦環境省(主管)
独文和訳資料提供サービス
ドイツの標記政令の正式名称は「危険な物質、調剤および製品の流通の禁止および制限に関する政令」。この名称が示すように、ドイツ市場への輸出のためには、物質、調剤、製品がこの政令に抵触しないことを確認しなければならない。
この政令はEU化学品法規を国内法化するだけでなく、それよりもきびしいドイツ独自の規制を含む部分があるので要細心注意(例えばダイオキシン規制(=臭素系難燃剤規制)、生体内耐久性をもつ繊維の規制)。
この政令が2年4ヵ月ぶりに改定されたので、以前の小職和訳(M-1103:Sep. 2008)をアップデートする。この改定は、ドイツ危険物質政令の変更に伴い、3箇所でマイナーチェンジが行われたのみで、新たにリストアップされた禁止物質はない。
しかし、ドイツ市場への物質、調剤あるいは製品の輸出に携わる企業は最新版の本政令を遵守する必要があるので、この訳文を活用されたい。Google によると最新版の和訳は日本ではまだ流布していない(流布しているのは、2008年 5月までの改定を反映するバージョン)。
納入品目:
①訳文33頁 ... M-1241J.doc .. 最新版の化学品禁止政令
②独語原文1頁 ... M-1241G 変更官報告示テキスト.doc
※ 過去に一度でも full price でドイツ化学品禁止政令の小職の訳文を購入されたお客様には Version Up 価格を適用させていただきますので、ご注文の際には、必ず、“M-1241 full price”または“M-1241 Version Up”とご指定下さい。
※ 過去の小職訳文:M-214, M-859, M-962, M-969, M-984, M-1000, M-1093, M-1103。
2011年1月13日
『背景情報:プリンタと複写機からのエミッション』
ドイツ連邦環境省ホームページ
2009年1月28日
独文和訳資料提供サービス
次の独文和訳資料は2009年3月23日に望月が提供した:
『レーザプリント機器からの粒子エミッション-知識の現状-』
連邦環境省、部長、ウーヴェ・ラール博士(教授資格取得者)
ドイツ連邦議会の環境委員会(2009年1月28日)でのプレゼンテーション(全15頁)
資料番号 M-1139。
この講演者のラール博士は三つの省(連邦環境省、連邦労働省、連邦消費者保護省)が関係する「プリンタと複写機からのエミッションによる健康問題」の最高責任者である。
今回提供するのは、ラール博士の上記のプレゼンテーションを連邦環境省がhpにアップした際に添付した『背景情報』である。なぜまた、今になって、これを提供するかというと、この複雑なテーマをきわめて分かりやすく整理して述べているからである。関係者必読である。
この資料は、2009年1月の時点での予定ではあるが、《連邦環境省とドイツの事務機械工業会である BITKOM が 2008 年に意見調整の上でそれぞれにスタートさせた研究プロジェクトの結果を 2010 年の末までに評価する》と述べている。
ここでいう《研究プロジェクト》とは、連邦環境省の研究(BAM が実行、UFO-PLAN FKZ 3708 95 301)と BITKOM の研究(WKI が実行、WKIProject No. 122270)を指すが、それらを連邦環境省が評価した結果は 2010 年の末までに発表されなかったので、望月から発表予定をラール博士に問い合わせ中。
このような状況にあるにもかかわらず、BITKOM は 2010 年12月に単独行為として、
"Safety of laser printing and copying systems for users - Why you can rely on a high level of user safety when operating toner-based printing and copying systems"
という資料を発表し、プリンタと複写機からのエミッションによる健康問題そのものの存在を否定した。この資料(独語版と英語版)は、日本のすべてのメーカーおよび韓国のサムソンと米国のレックスマーク、hpとゼロックスの連名であり、次のリンクからダウンロードできる:
http://www.bitkom.org/de/themen/54810_66218.aspx。
この経緯からして、連邦環境省から発表予定の研究評価結果がより一層注目される。
なお、連邦環境省の評価結果によっては、プリンタと複写機のある作業所の労働衛生のための現行の規制*)の変更が必要になることも考えられる。また、規制を従来のようにドイツ国内法で考えるのか、それとも、EU法で考えるのか、という問題を再検討する必要もあろう。なぜならば、微細粒子による健康の損壊は、もしもそれが確認されるならば、本来的には国境と人種の相違を超える現象であろうから。
*) 現行の規制は、ドイツでは、一立米の室内空気あたりの、肺に到達可能のトナー粉塵の量に関する容認リスク(acceptance risk)という基準値である。この値は現在は 60μg だが、早ければ 2013 年からは 6 μg に引き下げられる。詳細は望月報告書、資料番号 M-1214
を参照。この資料の概要はこのhpの下方に掲載(“M-1214”にて頁内検索)。なお、現行の容認リスク値 60μg の遵守のためには対策は不要なことが確認されているが、それの 6μg への引き下げに対応するためには対策が必要である(非遵守の場合の罰則については資料番号 M-1214 を参照)。
原文2頁+訳文2頁(いずれもA4サイズ)
資料番号 M-1238
2010年12月6日
『発がん性かそれとも危険なしか -
産業に化学的含有物質に関する詳細な記述義務』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2010年12月1日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
REACH 規則によると、年間の販売量が 1000 トンを超える物質または発がん性の物質については、2010年11月30日までに、物質のもつ危険性とリスクを記述する文書を提出する義務が化学企業に課せられていた。この提出義務を果たした関係者はほっと一息というところである。
この機会に、ドイツの国営ラジオ放送 DLF の番組「環境と消費者」のレポーターがドイツ化学工業会(VCI)の会長ロマノフスキー氏とドイツでももっとも有名な環境保護団体である BUND の化学品安全部長のカメロン女史に REACH による化学品情報提供義務に関してインタヴューした番組が放送されたので、その温度差を含む内容を訳出する。
原文2頁+訳文2頁(いずれもA4サイズ)
資料番号 M-1224
2010年11月6日
『報告書:プリント機能をもつ事務機械の、肺に到達可能のトナー粉塵についてドイツ連邦労働保護・労働医学庁(BAuA)の定めた容認リスク(acceptance risk)値の遵守対策』
報告者:望月浩二
報告の根拠:2010年11月5日付の BAuA 担当官回答書
日本語報告書提供サービス
BAuA は、2008年12月11日付のプレスリリース 66/08 で、「作業場のトナー粉塵」というタイトルの、いわゆる《リスク推測》と称する文書を発表した(資料 M-1124 として訳文提供済み)。これは今日もなお、次のURLからダウンロードできる:
http://www.baua.de/cln_135/de/Presse/Pressemitteilungen/2008/12/pm066-08.html。
この《リスク推測》は次のように結論する。
一立米の室内空気あたりの肺に到達可能のトナー粉塵の実測値は連邦リスク評価研究所(BfR)の研究により次のように決定された:
1.事務作業場では、30μg未満、
2.サービスマンの作業時では、50μg、
3.トナーカートリッジ・リサイクル作業場では、60μg。
この《リスク推測》は、一立米の室内空気あたりの肺に到達可能のトナー粉塵の量について容認リスク(acceptance risk)という基準値を導入する。この値は現在は 60μg だが、遅くとも 2018 年からは 6 μgに引き下げられる。
望月の質問に対して BAuA 担当官は2009年1月14日付で、一立米の室内空気あたりの肺に到達可能のトナー粉塵の量は次の TRGS 402 にしたがって決定することと回答した:
http://www.baua.de/nn_16706/de/Themen-von-A-Z/Gefahrstoffe/TRGS/pdf/TRGS-402.pdf。
BAuA の2008年12月11日付のプレスリリース 66/08 には、事務作業場では、容認リスク値の上記の引き下げ(60→6μg/m3)の以前には、作業者は特別の防護対策を取る必要はなく、ただ、予防原則のために、BAuA の発行するパンフレットの推奨する対策を励行するだけでよい、との記述がある。ここでいうパンフレットとは次の2点を指す:
-"Sicherer Umgang mit Tonersta"uben"(トナー粉塵の安全な取り扱い)
-"Kopiergera"te und Drucker im Bu"ro"(事務所の複写機とプリンタ)。
それとは対照的に、容認リスク値の上記の引き下げ(60→6μg/m3)の以後では、上記の実測値(30 - 50 - 60 μg/m3)からして、トナーカートリッジ・リサイクル作業場およびサービスマンの作業時はもちろんのこと、事務作業場ですら、対策が必要となることは明らかである。
以上の経緯を踏まえた、次の5つの質問について、回答を得たので、それらを報告する。回答者は、BAuA の危険物質管理部長の理学博士(化学)。
① 容認リスク値の遵守に関しては、作業場の条件(部屋の大きさ、空気入替え etc.)とプリント機能をもつ事務機械のエミッション値の両者が関係する。したがって、これら両者を定義してやらないことには、作業場の管理責任者も、機器製造者も、遵守対策の取りようがない。この困難の解決策としては、正常の場合には負荷の値はより低いであろうという仮定の下に、もっともきびしい条件(worst
case)の下で測定を行うことが考えられる(p.3, TRGS 402: January 2010)。Worst case の事務作業場としては、空気交換なしの、所定の大きさの、比較的小さい試験室が考えられよう。それに関しては、気候条件など、その他のパラメータも決めてやる必要がある。BAuA は、このような worst case の解決策に賛成か。Yes の場合には、誰が、worst
case の作業場の具体的な仕様を決定するのか。
② 一立米の室内空気あたりの肺に到達可能のトナー粉塵の量は、TRGS 402 にしたがって決定することという情報は正しいか。Yes ならば、TRGS 402 には BAuA による英語訳があるか。また、TRGS 402 は広範囲の内容をもつが、肺に到達可能のトナー粉塵の量の決定にはどの章を適用するのか。また、TRGS 402 は、いくつかの DIN EN
規格を引用するが、これに関して参照すべき DIN EN 規格があるか。
③ 実測値が容認リスク値を超える場合には、法的に規定された罰則が適用されるか。Yes の場合には、どの法律またはどの政令のどの条文がそれを規定するか。また、罰則の内容は何か。
④ BAuA の《リスク推測》が引用する BAuA の「告示 910」:
http://www.baua.de/nn_78674/de/Themen-von-A-Z/Gefahrstoffe/TRGS/pdf/Bekanntmachung-910.pdf
の脚注1によると、容認リスク値の上記の引き下げ(60→6μg/m3)は、「遅くとも 2018 年に」ではなく、「早ければ 2013 年に、遅くとも 2018 年に」実施されると理解される。規制を遵守する側としては、遅くともの期限(2018 年)ではなく、早ければの期限(2013 年)をターゲットにしなければならない。上記の「早ければ 2013 年に、遅くとも 2018
年に」実施される、という理解は正しいか。また、BAuAの上記のプレスリリースが出されてからほぼ2年間が経過しているが、2013年、2018年という期限はその間に変更されていないか。
⑤ このテーマに関して、今までに、BAuA とドイツの工業会 BITKOMとの間で話し合いが持たれたか。Yes の場合には、BAuA の定めた容認リスク値の遵守対策の作成に必要な範囲で、話し合いの合意事項を開示していただけないか。
※ 貴社独自のご質問を担当官にぶつけたいとお考えの場合には、日本語で質問をお寄せくだされば、質問を代行し、回答を日本語訳してお戻しいたします。貴社名を名乗るべきか、それとも匿名にするかをお書き添え下さい。守秘義務はもちろん、厳守します。
日本語報告書全4頁(A4サイズ)
資料番号 M-1214
2010年11月1日
『Vitrocell(R) Transwell Exposition System 内の A 549 細胞に対するレーザ・プリンタからのエミッションの遺伝毒性に関する研究』
発表者:フライブルク大学医学部環境医学・病院衛生学研究所、
所長フォルカー・メルシュ=ズンダーマン教授、他2名
発表日:2010年7月20日
論文(ドイツ語原文)の頁数:74
発表専門誌名:専門誌にではなく、フライブルク大学、大学病院附属環境医学・
病院衛生学研究所の正式報告書という形で発表された。
独文和訳資料提供サービス
2008年春のBfR報告書(資料番号 M-1011 & M-1017)の作成で中心的な仕事をしたフライブルク大学のメルシュ=ズンダーマン教授は、レーザプリンタの排気を人間の肺細胞(肺胞を包む膜細胞)の培養体に直接吹き付けてその作用としての細胞小核(英:micronucleus)の発生の有無を調べた結果を2010年3月16日の記者会見で発表した。
これが発生するならば、それは細胞分裂の異常の証拠となる。これは化学物質の遺伝毒性を調べるための標準化された方法である。その結果は、とくに微細および超微細粒子を非常に多く排出するレーザ・プリント機器が染色体異常ひいては変異原性を惹き起こす可能性を示唆する。
同教授が上記の内容を論文として発表したので、その表紙、目次および結論を訳出する。
※ 目次をご覧いただき、さらに訳出のニーズがあれば、見積もりますので、ご希望の章をご一報ください(例えば、ディスカッションの部分、全5頁)。
ドイツ語原文74頁+日本語訳文6頁(いずれもA4サイズ)
資料番号 M-1212
【英語資料紹介サービス】
Title:
Genotoxic Effects of Three Selected Black Toner Powders and Their Dimethyl Sulfoxide Extracts in Cultured Human Epithelial A 549 Lung Cells In Vitro
Author: Volker Mersch-Sundermann et al.
Key words: black toner powders; metals and metalloids; PAH; DNA and chromosome damage
Published in: Environmental and Molecular Mutagenesis
Article first published online : Sep. 24, 2010,
DOI: 10.1002/em.20621
英語原文14頁
この論文の頒布権は Wiley Online Library 社が所有しますので、注文を希望される方は同社の次のhpからどうぞ(論文要旨もこのURL に掲載):
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/em.20621/abstract
2010年8月3日
『ケミカル・リーシング(Chemical Leasing)に関するドイツにおける実証プロジェクト
- 最終報告書の要約』
発表者:ドイツ連邦環境庁(UBA)
発表日:2010年3月1日
独文和訳資料提供サービス
2010年5月の望月の日本講演では「ケミカル・リーシング(ChL)」というテーマについてスライドを2枚使って説明した:
http://www.mochizuki.de/app/download/1736106814/slide+42-43+of+m1191.pdf?t=1280611244
このChLについて簡単に説明すると、例えば、産業では部品の洗浄に炭化水素溶媒をよく使うが、化学品メーカーがそういった化学品を売る(販売単価:$/ 溶媒の単位重量)のではなくて、リースする、つまり洗浄というサービスを売る(販売単価:$/部品一個の洗浄)というビジネス・モデルを指す。この場合に
は、化学品はあくまで化学品メーカーの資産であり続け、化学品メーカーは最少の費用でサービスを実現しようと努力するので、化学品の消費量を最小化し(プ ロセスの最適化)、リサイクル率を最大化する。したがって、これは環境保全にとってもベストな結果を招来する。このようなビジネス・モデルは多種多様のプ ロセス(下のドイツの実証プロジェクトを参照)で適用できる。
化学品の消費量を最小化し、リサイクル率を最大化することによって得られるコストの削減分は、化学品メーカーが独占するのではなく、サービス単価(上の例 では、$/部品一個の洗浄)の引き下げによって、化学品ユーザーに還元する。すなわち、化学品メーカー、化学品ユーザーおよび環境の3者が win-win-win の関係を享受する、まったく新しいパラダイムである。
プロセス最適化による化学品の消費量の最小化は、オーストリア環境省の試算によると、同国で年間に53,000 tの化学品の節約を可能にする由。これは同国の化学品の消費量のじつに約1/3に相当する。
これに類する化学品の営業は、業界では以前から、別の名称、すなわち、CMS (Chemical Management Services), Pay-on-Production or Cost-per-Unit-Business-Model で行われていたが、
2002年になって、オーストリア政府が、経済的な観点だけでなく、環境に関するメリットをもシステマチックに分析するイニシアチブをスタートさせた。最 初の実証プロジェクトが立ち上げられ、成功を収め、その結果が公表され、上記のようなChLという概念が定式化された。詳細情報は、ISBN: 978-3211404454 を参照。(→
ChLとCMSの相違については下の資料 M-1197 を参照)。2004年には、UNIDO (国際連合工業開発機関 United Nations Industrial Development Organization)がこれを取り上げて、ChLを発展途上国に普及させるべく注力し、注目すべき具体的成果を挙げた。詳細情報 ⇒ http://www.chemicalleasing.com/sub/intact.htm。
このhpによると、次の著名企業が UNIDO のChLプロジェクトに関与している: GM Egypt, EXXON Mobil, BASF, DOW, Akzo Nobel, Henkel, Firestone, LOREAL, Moxba Metrex (NL), NESTLE, PEPSI etc。詳細情報は、次を参照:ISBN: 978-3211737514。
ドイツ政府は2009年に9つのChL実証プロジェクトを立ち上げて、検討したところ、これが近年中にドイツ国内で急速に広まるであろうと予測するに至っ た。その最終報告書の要約版を訳出して提供する。なお、ドイツ政府の持続可能の化学品政策では、ChLが重要な支柱の一つとなっている。
ドイツ政府の上記9つの実証プロジェクトは次のとおり:①食品および製薬産業におけるパイプ配管およびタンクの浄化、②乗用車の床下部の保護のための PVCの使用、③触媒の製造、追加工および使用、④金属表面の浄化、前処理およびコーティング、⑤金属産業における研磨剤の使用、⑥接着テープの使用によ
るガラスの接着、⑦飲料缶フタの製造のためのアルミテープのコーティング、⑧農業における農薬の使用、⑨病院における殺菌剤の使用。
なお、ChLは化学品の営業形態の一つであって、環境規制とは直接の関係はない。また、ガラパゴス化の輝かしい伝統を誇る日本が国内で、ChLを無視する ことは勝手だが、化学品の海外営業においては、ChLを提供するコンペチタとは勝負にならないという局面もありうることを熟知する必要があろう。GM, EXXON Mobil, BASF, DOW などを乗せたバスはすでに発進している。
ChLに関する解説記事は筆者が日本の著名な化学品の情報誌に寄稿したので、掲載になり次第、筆者hpの資料番号 M-1196 の処にお知らせを載せる。また、数あるChL類似の化学品営業形態からChLに白羽の矢を立てた根拠を当時のオーストリア政府の責任者だったウィンズペル ガー博士に問い合わせているので、回答があり次第、これも筆者hpの資料番号 M-1196 の処に載せる。
原文12頁+訳文12頁(いずれもA4サイズ)
資料番号 M-1196
■ケミカル・リーシング(ChL)に関する解説記事:
http://www.jetoc.or.jp/materials/information.html に記載がございます。
■ChLに関する講演会:
ご要望に応じて、ドイツのChLの専門家(専門書 Chemical Leasing Goes Global の共著者の一人)を日本に招き、英語講演するようにアレンジできます。テーマは、例えば、
など。ご希望のテーマを追加指定することもできます。お問い合わせは、こちらへどうぞ。
■ChLに関するオーストリア視察団:
ご要望に応じて、ChL発祥の地であるウィーンにあるオーストリア政府生命省、同じくウィーンにある国連のUNIDO、さらにはChLを実践する企業を訪問して、多数の関係者とディスカッションする機会を用意できます。お問い合わせは、こちらへどうぞ。
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2010年8月3日
『ケミカル・リーシングに関する7つのFAQ』
発表者:ドイツ連邦環境庁(UBA)
発表日:2010年8月3日現在
独文和訳資料提供サービス
UBAのケミカル・リーシング(ChL)専用のhp:
http://www.chemikalienleasing.de/
に掲載された次の7つの質問と回答を訳出する:
①ChLとは何か。
②ChLの重要なメリットは何か。
③ChLはどの産業分野で応用が可能か。
④ChLと古典的なリーシングの相違は何か。
⑤ChLとCMS (Chemical Management Service)のビジネスモデルとしての相違は何か。
⑥ChLの契約の雛形はあるか。
⑦EUの新しい化学品規則REACHとChLの共通点は何か、またそれらの間にはどのような相互作用があるか。
原文4頁+訳文4頁(いずれもA4サイズ)
資料番号 M-1197
2010年3月20日
『プリンタと複写機からのエミッションはどれほど危険か』
プレスリリース、2010年3月4日
発行者:フライブルク大学、大学病院
独文和訳資料提供サービス
南ドイツのフライブルク大学、大学病院附属の環境医学・病院衛生学研究所の所長メルシュ=ズンダーマン教授が、教授自身の最新の実験結果(レーザ・プリンタの排気を人間の肺細胞(肺胞を包む膜細胞)の培養体に直接吹き付けてその作用として細胞小核の発生を確認した実験)とそれが標記のテーマに関してもつ意味を報道関係者に説明する記者会見の招待状を訳出する。記者会見の日付は2010年3月16日。
原文1頁+訳文1頁
資料番号 M-1190
2010年3月17日
『プリンタが病気の原因になりうるのは何故か』
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2010年3月17日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
フライブルク大学のメルシュ=ズンダーマン教授は、レーザ・プリンタの排気を人間の肺細胞(肺胞を包む膜細胞)の培養体に直接吹き付けてその作用として細胞小核の発生を確認した実験の結果を発表した。それを報ずる2010年3月2日付のドイツの公営TV局zdfの報道(資料 M-1183)は翌日に訳出、紹介した。
上記の報道では、関係者のインタヴューにスペースを割く余りに、メルシュ=ズンダーマン教授の意見聴取は十分でなかったが、2010年3月17日のDLFの番組(3m7s)は教授のインタヴューに専心することにより、前述の資料にはない深い情報を提供する。
ご希望の方には、同教授のアポイントメントの取り付け代行および訪問通訳も申し受けますのでどうぞ。訳者は教授に面識があります。
原文2頁+訳文2頁
資料番号 M-1189
2010年3月3日
『オフィスの危険-プリンタが病気の原因』
ドイツの公営TV局 zdf
2010年3月2日放映
番組名: Frontal 21
独文和訳資料提供サービス
レーザ・プリンタと複写機の健康問題は2008年春にBfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)がリスク・アセスメント報告書を発表した当時はドイツのマスコミが頻繁に取り上げていたが、その後、問題の根本的な解明研究を連邦環境省が2008年10月にBAM(ドイツ連邦材料試験所)に委託発注(資料 M-1139)して以来、解明待ちということで報道は沈静化していた。
しかし、ここにきて、2008年春のBfR報告書の作成で中心的な仕事をしたフライブルク大学のメルシュ=ズンダーマン教授が、プリンタの排気を人間の肺細胞(肺胞を包む膜細胞)の培養体に直接吹き付けてその作用として細胞小核の発生の有無を調べた。これが発生するならば、それは細胞分裂の異常の証拠となる。これは化学物質の遺伝毒性を調べるための標準化された方法である。その結果、とくに微細および超微細粒子を非常に多く排出するプリンタは細胞内の遺伝素質に害を及ぼすらしいことが突き止められた。これはレーザ・プリント機器が染色体異常ひいては変異原性を惹き起こす可能性を示唆する。しかし、これはまだ最初の研究結果であり、今後、各種の確認作業が必要とのこと。
ドイツの公営テレビ局zdfは2010年3月2日の21:00からの Frontal21 という報道番組で7m49sにわたってこの問題を取り上げ、トナー粉塵による健康損壊を職業病と認定された第一号患者を紹介、また多数の関係者の意見を紹介、その中で上記のメルシュ=ズンダーマン教授
の見解も紹介した。
zdfのhpが番組原稿をアップしたので、それを訳出する。また、zdfのhpは番組そのものもアップしたので、次のリンクにより、日本からでも番組を観ることができる:
http://www.zdf.de/ZDFmediathek/beitrag/video/986614/Gefahr-im-Buero----Drucker-machen-krank-#/beitrag/video/986614/Gefahr-im-Buero----Drucker-machen-krank-
訳文には段落毎に番組の最初からの経過時間(_m_s)を記し、訳文を字幕として見ながら、番組(画面右下に経過時間表示)を観れば、内容を理解できるように工夫する。なお、番組原稿は一部を省略している。
この番組のタイトル『オフィスの危険-プリンタが病気の原因』はレーザ・プリンタおよび複写機を病気の原因と決め付けるもので、何も知らない消費者がこれを見れば、単純に信じ込むのではないかと危惧される。しかも、この番組が21:00からというゴールデンアワーにzdfというardと並ぶドイツの二大公営TV局の一つから放映されたことは影響力がきわめて大きいと言える。少なくともドイツでは状況がそこまで行っていることを認識する必要がある。
原文4頁+訳文3頁
資料番号 M-1183
2010年1月12日
『白黒レーザ・プリンタ6機種の比較評価試験結果』
掲載誌名: Computer Bild(ドイツのコンピュータ雑誌)
掲載誌号数: 21/2009
発表日:2009年9月28日
独文和訳資料提供サービス
ドイツの標記のコンピュータ雑誌が小売価格 54~136 EUR (7,208~18,153 JPY ... 19% 消費税を含む)の白黒レーザ・プリンタ6機種の比較評価試験結果(総合点数とそれに基づく順位)を発表したので訳出する。6機種の内訳は、日本製が4機種、米国製が1機種、韓国製が1機種。提供資料中ではメーカーの実名と製品の型番を明らかにする。
ドイツでは連邦環境省が中心となって「レーザプリント機器からの粒子エミッション」(資料 M-1139)の健康への影響の解明プロジェクトが進行中だが、この問題はマスメディア(ラジオ、TV、新聞)がよく取り上げており、消費者の関心も高い。関連資料:http://www.mochizuki.de/3_auoiyo.php
それを反映して、標記の比較評価試験では、印字の品質と速度がいくらすぐれていても、健康への悪影響の恐れのあるレーザ・プリンタは総合点を大きく減点され、順位を下げている。ここで「健康への悪影響の恐れ」とは今回のテストでは具体的には例えば次の各号を指す:
*TVOC(トナー中、排気中)
*微細粉塵(排気中)
*cmr物質、ジメチル・フォルムアミド、DBT、エトキシエタノール(トナー中)
なお、試験基準としてはLGAのものが適用された。
日本国内の市場とは異なり、ドイツ市場では、レーザ・プリンタはコスト・パフォーマンスだけではなく、「健康性能」も考慮されていないと商売にならないという認識は重要である。なお、ドイツ以外の諸国についても、こういった認識の必要性の有無を確認する必要があろう(例:北欧諸国、オーストラリア)。
原文4頁+訳文4頁
資料番号 M-1173
2009年9月2日
『Risks from printers? - Results of the BfR toner study』
発表者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) (http://www.bfr.bund.de)
発表日:2009年8月24日
所載: BfR Annual Report 2008, page 21-23
英語原文資料紹介サービス
BfR は連邦環境省(BMU)の委託により、2005年から電子写真式事務機械の健康リスクの研究に取り組んできたが、2008年1月に最終報告書、「事務機械、とくに複写機およびレーザプリンタからのエミッションと曝露された事務職従業員の健康の低下ないし損壊との因果関係の可能性の評価」(資料 M-1067b-j)を発表して、プロジェクトを終了した。
BfR は、2009年8月24日に、2008年度の年次報告書を発表したが、その中の「第4章、2008年度の重点テーマ」のトップを飾ったのが上述の電子写真式事務機械の健康リスク研究最終報告書であった。これは、事の経緯、最終報告書の内容および未解決の問題点を簡潔に要約する。
この BfR 年次報告書は独英のバイリンガルで発行されるので、あえて独文和訳資料は作成せず、報告書の入手リンクを皆様にお知らせするに留める。ご関心をお持ちの方は、ダウンロードして、BfR による英訳文を参照されたい。入手リンクは次のとおり:
http://www.bfr.bund.de/cm/238/bfr_jahresbericht_2008.pdf
独英原文、全80頁
資料番号 M-1154
2009年7月1日
三酸化アンチモン(CAS 1309-64-4)のEUリスクアセスメント報告書、最終ドラフト(OJ 告示版の一つ前のバージョン)
発表者:ECB (= European Chemicals Bureau)
発表日:2009年6月17日
英語原文資料提供サービス
この報告書はスウェーデンが担当し、既存物質のリスクの評価とコントロールに関する理事会の規則 (EEC) No. 793/93 の枠内で作成された。フルテキストの報告書の序言には、これはドラフトであるとの記載があるが、この報告書と一緒に発行された“European Union Risk Assessment Tracking System”には、これは、Last version following TCNES submission / approval と記載されているので、最終ドラフトと考えられる。※ TCNES = Technical Committee on New and Existing Chemical Substances
いずれ、この報告書は EU OJ に告示されるが、今回、この資料をお買い上げのお客様には、OJ 告示版を発表次第、無償で提供する。
考察の対象となる三酸化アンチモンの用途は次のとおり:
2.3 USES
2.3.1 Introduction
2.3.2 Use as flame-retardant
2.3.2.1 Use as flame-retardant in plastics and rubber
2.3.2.2 Use as flame-retardant in textiles
2.3.3 Use in glass
2.3.4 Use in pigments
2.3.5 Catalyst in PET-manufacture
提供英語原文資料リスト(RAR = Risk Assessment Report):
Final RAR (556 pages)
Summary RAR (45 pages)
RAR Status (1 page)
Conclusions (1 page)
資料番号 M-1151
2009年6月24日
『「室内空気品質会議」のフォーラム3「レーザプリンタと複写機」における発言』
発表メディア:dlf(ドイツ国営ラジオ放送)
発表日:2009年6月24日
独文和訳資料提供サービス
連邦環境省(BMU)と連邦環境庁(UBA)は、2009年6月23日と24日にベルリンで、「室内空気品質会議」を共催した:
http://www.bmu.de/files/pdfs/allgemein/application/pdf/flyer_konferenz_innenraeume.pdf
この会議は次の4つのフォーラムからなる:
フォーラム1:「熱効率のよい建物とよい室内空気-これは矛盾か」
フォーラム2:「建材由来の有害物質-健康な建築」
フォーラム3:「レーザプリンタと複写機-真相はなにか」
フォーラム4:「香料とアレルギー-健康によい室内空気の匂いとは」
その中のフォーラム3では次のプレゼンテーションが行われた(6月24日):
1)問題の紹介、教授ツンガ・ザルトハンマー博士、フラウンホーファ研究所、ブラウンシュバイク
2)健康への影響、教授メルシュ=ズンダーマン博士、フライブルク大学病院
3)トナーによる障害、ステルティング、ナノ・コントロール財団
4)業界から見たテーマ、トビアス博士、BITKOM
5)粒子状のエミッションの特性、モラブスカ博士、ブリスベーン大学、オーストラリア
6)連邦政府の研究活動とブルーエンジェルの役割、ゼーガー博士、BAM(連邦材料試験所)
ドイツ国営ラジオ放送dlfは、これらのうち、ザルトハンマー博士とモラブスカ博士の発言のサワリを番組「環境と消費者」の中で放送したので、それらを日本語に訳出する。ブルーエンジェルとの関連にも触れる。
この資料の中で、モラブスカ博士が「レーザ・プリンタ内でナノ粒子が生成しない」ための条件を述べる。その条件にこの資料の価値があると思われる。現在、その条件に関する実験データの有無を同博士に問い合わせ中。
ドイツ語原文2頁、訳文2頁
資料番号 M-1149
2009年3月23日
『レーザプリント機器からの粒子エミッション-知識の現状-』
連邦環境省、部長、ウーヴェ・ラール博士(教授資格取得者)
ドイツ連邦議会の環境委員会、2009年1月28日
これは、2009年1月28日11:00~13:00にドイツ連邦議会の環境委員会で開催さた「レーザプリンタからの排出物」に関する専門家の意見交換会-非公開-における連邦環境省の環境と健康、アイミッション防止、プラント安全性と交通、化学品安全の総括部長ウーヴェ・ラール博士のPower Pointプレゼンテーションを訳出して、提供する。
3つの省が関係し、複数の文書が飛び交い、錯綜する状況にある本件を明快に整理して、問題の所在を明らかにする。また、連邦環境省としての具体的な取り組みの現状および予定を述べる。ブルーエンジェルの授与のための事務機器のエミッション試験にも言及。関係者必読の文書。
原文15頁+訳文15頁、
資料番号 M-1139
2009年2月3日
『ドイツ連邦議会、環境委員会、第81次定例会議、開催のお知らせ
議題:テーマ「レーザプリンタからの排出物」に関する専門家の意見交換会』
発表者:ドイツ連邦議会、環境委員会
意見交換会の日付:2009年1月28日、場所:ベルリン
独語原文または独文和訳資料提供サービス
このほど、ドイツ連邦議会の環境委員会で標記の意見交換会が開催された。筆者は傍聴するべく問い合わせたが、「非公開」ということで断られた。上の文書は議事録ではなく、開催通知である。参加者の氏名(6名 ...
例のステルティング氏も参加)および配布資料の文書名(3種類)だけが記載されている。しかし、ドイツで何が起きているのかを知るためには、この種の情報も欠かせないと思われる。非公開の会議の議事録が公開されるかどうかは不明であるが、ダメモトで筆者から環境委員会あてに問い合わせ中。ドイツの環境情報公開法の精神に基づくならば、公開されて然るべきと言えよう。
次の2種類の要領で配布:
①ドイツ語原文、全2頁+日本語訳文、全2頁
有償、資料番号 M-1132
②ドイツ語原文、全2頁のみ。無償。⇒ 資料番号 M-1132 原文のみと明記下さい。
2009年1月22日
『BMU と BITKOM が、レーザプリンタと複写機からの粒子エミッションに関する研究で協力』
発表者:ドイツ連邦環境省(BMU)
発表日:2009年1月22日
発表の種類:BITKOM との共同プレスリリース
独文和訳資料提供サービス
ドイツの事務機械工業会である BITKOM と連邦環境省(BMU)とが、夫々に実行中のレーザプリンタと複写機からの粒子エミッションに関する研究を今後は密接に連携させることで意見が一致した。BITKOM とBMU
が委託した研究プロジェクト(複数)の目的は、事務所のプリント機器の運転時の健康リスクの可能性を調べることにある。レーザプリンタと複写機は、正しく取り扱われている限りにおいては、健康リスクの原因となってはならない。
BITKOM が一昨年に WKI に委託した研究の最初の結果の一つとして、
①排出される超微細粒子はトナー粒子でも、紙の磨耗で生じる粉塵でもないことおよび
②排出される超微細粒子の大部分はフューザでの蒸発プロセスで発生すること
が最近判明したことにも言及する。
また、これらの研究結果をブルーエンジェルの基準値に反映させる予定であることにも触れる。
ドイツ語原文、全1頁+日本語訳文、全1頁
資料番号 M-1129
2009年1月18日
『レーザプリンタからの粒子状物質(PM)排出』
著者: Fraunhofer Institute for Wood Research - Wilhelm-Klauditz-Institut WKI
文書の種類:プレスリリース
発表: 2008年12月(日付の記載なし)
独文和訳資料提供サービス
この研究は、レーザ・プリント機器がトナー粒子をほとんど放出しないことを結論する。それでは、何を放出するのか。それを解明するためにWKIのヴェンジング博士のグループは、レーザプリンタを改造して、紙もトナーもなしで「プリント」させたところ、その場合ですら、超微細粒子の放出が観察された。それはフュージング・ユニットにおいて、約220℃に加熱されたフューザー・ローラーが熱と圧力によってトナー粒子を紙に固定するプロセスから発生する。この高熱がパラフィンやシリコンオイルを揮発させ、それが凝結して微細粒子を形成する。機器から放出されるのは、トナー粒子ではなくて、このようにして形成されたパラフィンやシリコンオイル由来の微細粒子である。このような揮発性の有機物質の加熱時の超微細粒子の形成は、例えば、台所でもおこる:調理時、オーブンでの加熱時、パンのトースト時など。
この結論の正しさが確認されるならば、レーザ・プリント機器の健康問題の議論は大幅な見直しが必要となろう。というのは、今までは、トナーが一手に悪役を押し付けられてきたのだから。例えば、最近アップした資料「作業場のトナー粉塵による発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策」(M-1124)にしても、「トナー粉塵」を「レーザ・プリント機器からの超微細粒子」 と一斉置換するだけで済むか否かを検討する必要があろう。
このプレスリリースのドイツ語原文と英訳版のリンクは次のとおり:
ドイツ語原文
http://www.fraunhofer.de:80/presse/presseinformationen/2008/12/Mediendienst122008Thema3.jsp
英訳版
http://www.fraunhofer.de:80/EN/press/pi/2008/12/ResearchNews122008Topic3.jsp
このプレスリリースには、上記のように発行元自身による英訳版があるが、内容の重要度がきわめて高いことから、オリジナル言語であるドイツ語版から直接、日本語訳を作成して提供する。また、この日本語訳をご購入の方々には、このプレスリリースを受けて訳者が発信済みの次の質問への回答をお伝えする(カッコ内は質問の宛先):
① この研究のフルペーパのリンク(Dr. Wensing)。
② レーザ・プリント機器から排出されるのはパラフィンやシリコンオイルといった有機物質由来の微細粒子とのことだが、それらの粒子の肺胞中での発がん性の有無を判断する上では、それらの生体内耐久性が問題となる。これについてはデータがあるか(Dr. Wensing)。
③ レーザ・プリント機器がトナー粒子をほとんど排出しないという結論の正しさが確認された場合には、BAuA の文書『作業場のトナー粉塵による発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策』にはどのような変更が施されるのか(BAuA 担当官)。
※ さらに解明したいご質問がありましたら、望月まで日本語でお寄せ下さい。
ドイツ語原文、全1頁+日本語訳文、全2頁
資料番号 M-1128
【追記(2009年1月23日)】
この研究のフルペーパがウェブ上に発表された。そのデータは次のとおり:
タイトル:An Investigation into the Characteristics and Formation Mechanisms of Particles Originating from the Operation of Laser Printers.
著者:Lidia Morawska, Congrong He, Graham Johnson, Rohan Jayaratne, Tunga Salthammer, Hao Wang, Erik Uhde, Thor Bostrom, Robin Modini, Godwin Ayoko, Peter McGarry and Michael
Wensing (これはドイツのWKIとオーストラリアのクウィーンスランド工科大学(QUT)の研究者達の共同研究)
ウェブ版発表日:2009年1月23日
発表誌:Environmental Science & Technology
発行元:Copyright (c) 2009 American Chemical Society
リンク(ダウンロードは有料 = 30 USD):
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es802193n
作
業
2009年1月13日
『危険な偽情報-連邦の役所がトナーによるがんの危険を否定』
発表者:“国際財団nano Control”(利益共同体、トナー被害者
(ITG)のメンバーが設立した国際的な NGO)www.nano-control.de
発表日:2008年12月13日
発表の種類:意見書
独文和訳資料提供サービス
2008年4月19日にトナー粉塵のために病気に罹ったと称する市民達がドイツのエアフルトで“国際財団 nano Control”という NGO を設立した。ITG 代表だったステルティング氏(ドイツ人)が代表を務める。財団の設立目的は、室内環境における微細粉塵負荷の人体への危険の解明・啓蒙・防止および被害者の救済。
化学品安全を管轄するドイツ連邦政府の役所である BAuA が発表した『作業場のトナー粉塵による発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策』という文書(資料番号 M-1124)に関して“nano Control”が即座に批判的な意見書を発表したので訳出する。
“nano Control”には、毒性学者を含む研究者グループが専門知識を供給していると言われるが、この意見書は、BAuA 文書の核心をなす容認リスク閾値の計算などに関して、12項目からなる具体的で容赦のない批判の十字砲火を浴びせる。その一つを紹介すると、BAuA は、肺胞到達可能粉塵(A
粉塵)の重量計算(μg/m3)で容認リスク閾値を決定しているが、この方法を用いる限り、秤量法では重量を決定できないほど軽く、粒子の数をカウントできるだけの超微細粒子は完全に考察の対象から抜け落ちてしまうという批判は分かりやすい。なお、WKI Braunschweig, LGA などのこのテーマに関する研究に言及する。
この問題の関係者であれば、この12項目の批判に一応目を通しておくべきと言えよう。代表のTV番組への出演やメディアへの執筆などによって、一般世論への影響力のある“nano Control”が、今後の活動の「理論的根拠」としてこの12項目の批判(の一部)を利用してくることが予想される。
ドイツ語原文、全4頁+日本語訳文、全4頁
資料番号 M-1127
資料番号M-1124 rev2 の内容(2009年1月19日):
資料番号M-1124 rev1のp.3には次の文章があった:
「容認リスクは、 室内空気1立米あたり、肺に到達しうるトナー粉塵が60 µgという負荷、2018年からは6 µgに引き下げられる。」
この文章に次の脚注を追加する:
「 この文章は不正確。この文章の根拠となる「告示910」(文献5)の脚注1によると、容認リスク閾値の引き下げは早ければ2013年、遅くとも2018年と明記するべき。引き下げの具体的時期はBAuAが追って通知。この規定に対応すべき製造者および作業所の管理者は、最も早い場合の2013年をターゲットにしなければならないことは自明。」
資料番号M-1124 rev1 の内容(2009年1月15日):
①ドイツ政府の労働衛生管轄官庁 BAuA は、この文書によって、作業場で作業者の肺胞に到達しうるトナー粉塵に関して、発がんリスク容認リスク閾値(A 粉塵(= alveolar dust)濃度)を現在は 60 μg/m3 で、2018 年からは 6 μg/m3 と定めた。この規則を順守するためには、トナー機器の製造者あるいは作業場の管理者は、この濃度を測定できる必要がある。そこで、BAuA
担当官に測定基準を質問したところ、明快な回答を得たので、その回答をこの文書の関係箇所である「第三章、作業場における曝露」の脚注、訳注6に記述した。
②2018年から容認リスク閾値を 1/10 に厳しくする理由およびその規定のEU法上のステータス(他のEU加盟諸国の了承は取り付けたのか)について BAuA 担当官から得た回答を脚注、訳注3に記述した。
2009年1月8日
『作業場のトナー粉塵による発がんリスクの推定とそれに対応して取るべき健康保護対策』
ドイツ連邦労働保護・労働医学庁 (BAuA)
発表:2008年12月11日
独文和訳資料提供サービス
ドイツ連邦労働省の危険物質委員会(AGS - 事務局は BAuA 内)は、ドイツ危険物質政令の枠内で、発がん性の危険物質を用いる作業に関して、物質に依存しないリスク限界(閾値:容認リスク値、許容リスク値)を決定した[BAuA 告知 910 号、2008年6月、全101頁、BAuA による英訳版あり]。
この告知によると、発がん性の危険物質を用いる実際の作業場における発がんの危険の有無を調べるには、発がん性物質負荷が上記の容認リスク閾値を超えているか否かをチェックすればよい。
他の粒状の生体内耐久性の粉塵(例:カーボンブラック)と同様に、トナー粉塵もまた、ネズミでの動物実験研究において気道内注入の後で肺腫瘍発生が観察された。肺胞に到達しうるトナー粉塵は、現在は形式的にはまだ発がん性と分類されてはいないが、がんを引き起こす可能性があると考えられる。
肺胞に到達しうるトナー粉塵に関しては、固有の作業場リスクを告知910 号のAGSコンセプトにしたがって線形に換算すると次の濃度値が得られる:容認リスク閾値は現在は 60 μg/m3 で、2018年からは6 μg/m3。ここで分母は作業場の単位体積の空気。
これに対して、実際の作業場で、肺胞に到達しうるトナー粉塵の濃度負荷を、事務作業場、サービス要員の作業時、トナーカートリッジ・リサイクル作業場について測定した結果(μg/m3)を対比して、ドイツ法に基づく労働衛生の観点から実行するべき健康保護対策についての結論を導き出す。文献リスト付き。
ドイツ語原文、全4頁(小型活字)+日本語訳文、全8頁
資料番号 M-1124
2008年11月25日
『EU の REACH 規則への違反行為に対するドイツ法による制裁規定』
回答者:ドイツ政府 REACH-Helpdesk のシュテファン・フレンツェ
ル担当官(連邦労働保護・労働医学庁 BAuA)
質問者:望月浩二
質問日:2008年7月10日 ⇒ 回答日:2008年8月19日
独文和訳資料提供サービス
ドイツ連邦環境省の2008年7月2日付プレスリリースは、REACH 規則に対応するドイツ法の整備状況についても報告するが、REACH 規則への違反行為に対するドイツ法による制裁システムに関しては 2008年6月1日に発効した REACH 対応法(連邦官報、第Ⅰ部、第922頁)に言及するだけである(望月資料 M-1089)。
REACH 規則は厖大な内容からなるが、この REACH 対応法によるREACH 規則に関する制裁規定(罰則・罰金規則)は原文で1頁に満たない簡潔なものである。そこで、このことをどのように理解するべきかをドイツ連邦環境省とドイツ政府 REACH-Helpdesk とに同一の質問状で尋ねた。
ドイツ連邦環境省のコリンナ・エンダース担当官回答は、望月報告書 M-1097 にまとめて報告した(2008年8月4日)。今回はドイツ政府 REACH-Helpdesk の回答を訳出して紹介する。
ドイツ語原文、全2頁+日本語訳文、全2頁
資料番号 M-1102
2008年10月24日
『ドイツ自動車メーカー(複数)は腐食性の化学品を採用する意向
-乗用車エアコンの冷媒を巡る論争』
放送局名:dlf(ドイツ国営ラジオ放送局)
番組名:環境と消費者
放送日:2008年10月23日
独文和訳資料提供サービス
従来、乗用車エアコンの冷媒として用いられてきた化学物質 R134aは、EU では 2011 年から禁止される。理由はその強力な地球温暖化効果である。そこで現在、いくつかのドイツ自動車メーカーは、代替品として 1234 yf
という化学物質の使用を計画している。しかし、この物質は引火性であるばかりでなく、皮膚に強い化学火傷を起こすので、環境団体とドイツ自動車工業会との間で論争が起きている。その状況をレポートする。次のメーカー名が引用されている:
"Honeywell", "DuPont", "VW", "BMW", "Daimler", "Ford", "Opel"。
ドイツ語原文、全2頁+日本語訳文、全2頁
資料番号 M-1113
2008年9月17日
「REACH 規則の SVHC(高懸念物質)を巡る最新動向」
ドイツの国営ラジオ放送 DLF
2008年9月17日放送
番組名:環境と消費者(Umwelt und Verbraucher)
独文和訳資料提供サービス
この秋に欧州化学品庁(ECHA)が SVHC のリストを発表するが(すでに16種類の候補物質は発表済み)、それとともに、EU 域内では、消費者が製品中の SVHC の含有の有無を尋ねることができる(情報請求の権利)など、SVHC に関する REACH の施策がスタートする。
ECHA は SVHC として約20物質を予定するが、欧州の複数の環境団体はこの種類数は少なすぎるとして、本日(9/17)、ブラッセルで 267物質を載せる sin (= substitute it now!)リストと称するリストを発表した。sinリストには、三酸化アンチモン、臭素系難燃剤テトラブロモビスフェノールAなどが名を連ねる。
一方、ドイツでは、小売業の全国連合会などが CS Compliance 社という組織を立ち上げて、消費者の情報請求に対応するシステムの構築に乗り出している。REACH 規則によると、消費者から SVHC 情報の請求があった場合には、製造者には 45 日以内に情報を提供する義務がある。
上記を巡る DLF の報道を訳出、提供する。
原文2頁+訳文3頁、sinリスト(267物質)を標準添付
資料番号 M-1105
2008年9月7日
「ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)に用いられるガラス繊維は、EUのREACH規則施行において登録義務の対象となるか(続報1)」
ドイツ政府のREACHヘルプデスク
2008年8月29日
独文和訳資料提供サービス
「ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)に用いられるガラス繊維は、EUのREACH規則施行において登録義務の対象となるか」というテーマに関しては望月報告書 M-1081J
rev2(2008年7月3日)にて報告したが、その結論部がドイツ政府のREACHヘルプデスクからの電話連絡に基づいていたため、2008年7月3日付で、電話連絡の主であるヘルプデスクのフラオケ・シュレーダ博士に文書による連絡を依頼してあった。2008年8月29日付で同氏より文書による連絡があったので、それを訳出するのが本資料である。
前回の報告の結論(M-1081)では、「ガラス繊維は物質とみなせる」と、ガラス繊維を一括りにしていたので、非常に違和感があったが、今回はガラス繊維でも指令 67/548 (EEC) に該当するか否かで対応が異なることを分けて論じているので、リーゾナブルな結論になっている。本件はこれで事実上、落着したと考えられる。
原文2頁+訳文2頁
資料番号 M-1104
2008年9月5日
「ドイツ化学品禁止政令(Chemikalienverbotsverordnung、略称: ChemVerbotsV)」
2008年7月25日付の官報による変更告示までを反映(それ以降、現在まで変更なし)
ドイツ連邦環境省(主管)
独文和訳資料提供サービス
ドイツの標記政令の正式名称は「危険な物質、調剤および製品の流通の禁止および制限に関する政令」。この名称が示すように、ドイツ市場への輸出のためには、物質、調剤、製品がこの政令に抵触しないことを確認しなければならない。
この政令はEU化学品法規を国内法化するだけでなく、それよりもきびしいドイツ独自の規制を含む部分があるので要細心注意(例えばダイオキシン規制(=臭素系難燃剤規制)、生体内耐久性をもつ繊維の規制)。
以前の小職和訳 (M-1093: Jul. 2008)が古くなっていたので、最新のアップデートを訳出、提供する。Google によると最新版の和訳は日本ではまだ流布していない(流布しているのは、2007年10月までの改定を反映するバージョン)。
このバージョンで新たにリストアップされた禁止物質はない。
このバージョンで新しいのは、ドイツ政府の独自の判断により、テロリズム防止のために、爆薬の原料となる化学物質の販売の際の身元の確認をきびしくしたことである。これはEUの規制ではなく、ドイツ政府独自の規制である。その対象となる化学物質は次の各号:
1. 硝酸アンモニウム(CAS番号6484-52-2)および硝酸アンモニウムを含む調剤、
2. 塩素酸カリウム(CAS番号3811-04-9)
3. 硝酸カリウム(CAS番号7757-79-1)
4. 過塩素酸カリウム(CAS番号7778-74-7)
5. 過マンガン酸カリウム(CAS番号7722-64-7)
6. 塩素酸ナトリウム(CAS番号7775-09-9)
7. 硝酸ナトリウム(CAS番号7631-99-4)
8. 過塩素酸ナトリウム(CAS番号7601-89-0)
9. 重量濃度が12%を超える過酸化水素溶液(CAS番号7722-84-1)。
納入品目:
①訳文33頁 ... M-1103J.doc .. 最新版の化学品禁止政令
②独語原文2頁 ... M-1103G 変更官報告示テキスト.doc
2008年8月3日
「①EU の REACH 規則への違反行為に対するドイツ法による制裁システムの全貌
②とくにREACH 規則の第31-36条(供給連鎖中の情報義務)への違反行為に対するドイツ法による具体的な制裁内容」
情報提供者:ドイツ連邦環境省、コリンナ・エンダース担当官
報告者:望月浩二
発表:2008年8月4日
日本語報告書提供サービス
ドイツ連邦環境省の2008年7月2日付プレスリリースは、REACH 規則に対応するドイツ法の整備状況についても報告するが、REACH 規則への違反行為に対するドイツ法による制裁システムに関しては 2008年6月1日に発効した REACH 対応法(連邦官報、第Ⅰ部、第922頁)に言及するだけである(望月資料 M-1089)。
REACH規則は厖大な内容からなるが、この REACH 対応法によるREACH 規則に関する制裁規定(罰則・罰金規則)は原文で1頁に満たない簡潔なものである。そこで、ちなみに報告者が、日本の産業界が横断的に JAMP なる組織を立ち上げて対策を構築した REACH 規則の供給連鎖内での情報共有に関する規定(REACH 規則の第31-36条)への違反行為の制裁が REACH
対応法でどのように規定されているかを調べたところ、制裁規定は見つからなかった。
この問題をどのように理解するべきかをドイツ連邦環境省に質問したところ、次の内容の文書による回答を得た:
① EU の REACH 規則への違反行為に対するドイツ法による制裁システムの全貌、
② とくにREACH 規則の第31-36条への違反行為に対するドイツ法による具体的な制裁内容。
すなわち、第31-36条への違反行為の制裁規定が見つからなかったのは、ドイツ法による制裁システムが、REACH 対応法だけでなく、複数のドイツ法規の組み合わせで構成されており、その構成が未発表だったためと判明した。そこで、それを記述する上記の連邦環境省の回答文を訳出して提供する。連邦環境省には報告者から、このように情報価値のある回答書は連邦環境省hpの上記プレスリリースの箇所:
http://www.bmu.de/english/current_press_releases/pm/41958.php
に参考情報として掲載してはどうかと提案した。
備考:REACH 規則、第126条「罰則」によると、加盟国は不遵守に対する罰則を国内法で定めることになっており、「規定される罰則は、有効的で、つりあいのとれた、かつ制止的なものでなければならない」とされる。EU内でも環境先進国として影響力のあるドイツ政府が定めた罰則・罰金規定は他の加盟国にも一定の影響を及ぼすものと見られる。
原文1頁+報告書7頁
資料番号 M-1097
2008年7月29日
「ドイツで市販されるPETボトル入りのミネラルウォータ中のアセトアルデヒド濃度」
報告者:望月浩二
発表日:2008年7月29日
日本語報告書提供サービス
ドイツの商品テスト財団は厳正中立の商品比較試験で知られるが、その test 誌 2008 年 8
月号が、ドイツで市販されるPETボトル入りのミネラルウォータ30商品の比較試験結果を発表した。測定パラメータのうちでPETボトルの性状に関するのは、PETからミネラルウォータ中に移行したアセトアルデヒドの濃度だけである(三酸化アンチモンは測定されなかった;PETからミネラルウォータ中に移行した三酸化アンチモンの濃度については望月資料 M-1045 を参照)。
そこでアセトアルデヒドに関する比較試験結果をまとめて報告する。
それによると、ドイツ市場のミネラルウォータ30商品はアセトアルデヒド濃度によって二つのグループに分類される。その理由と動向についても述べる。
日本語報告書、全4頁
資料番号 M-1096
次の3つのファイルを標準添付する:
○test.de 2008-8 Mineral Waters in Germany.pdf(商品テスト財団の比較試験データ《無償版》)
○EU-Directive 2002-72-EC.pdf(食品容器材料の食品中への移行許容限界値に関するEUの規制。p. 9/41にアセトアルデヒドの規制値 6 mg/kgを記載。p. 31/41にSb2O3の規制値 0.02 mg/kgを記載。)
○ESIS-Description on Acetaldehyde 080727.pdf(ECB の ESIS (European Chemical Substances Information System)におけるアセトアルデヒドに関する記述。)
2008年7月16日
「ドイツ化学品禁止政令(Chemikalienverbotsverordnung、略称: ChemVerbotsV)」
2008年5月31日付の官報による変更告示までを反映(それ以降、現在まで変更なし)
ドイツ連邦環境省(主管)
独文和訳提供サービス
ドイツの標記政令の正式名称は「危険な物質、調剤および製品の流通の禁止および制限に関する政令」。この名称が示すように、ドイツ市場への輸出のためには、物質、調剤、製品がこの政令に抵触しないことを確認しなければならない。
この政令はEU化学品法規を国内法化するだけでなく、それよりもきびしいドイツ独自の規制を含む部分があるので要細心注意(例えばダイオキシン規制(=臭素系難燃剤規制)、生体内耐久性をもつ繊維の規制)。
以前の小職和訳 (M-1000: Jan. 2007)が古くなっていたので、最新のアップデートを訳出、提供する。Google によると最新版の和訳は日本ではまだ流布していない(流布しているのは、2007年10月までの改定を反映するバージョン)。
このバージョンで新たにリストアップされた禁止物質とその根拠は次のとおり:
*ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)
根拠: 指令76/769/EECの第30次変更(ドイツ独自の内容はない)
PFOS でコーティングした繊維あるいは材料には禁止規定を設ける。写真関係の用途には禁止解除規定がある。
また、2008年5月31日付の官報告示による変更によって、ドイツ化学品禁止政令は EU の REACH 規則にコンパチブルになった(ただし、上記のドイツ独自規制部分は除く)。
納入品目:
①訳文34頁 ... M-1093J.doc .. 最新版の化学品禁止政令
②独語原文5頁 ... M-1093G 変更官報告示テキスト.doc
※ 過去に一度でも full price でドイツ化学品禁止政令の小職の訳文を購入されたお客様には Version Up 価格を適用させていただきます。
※ 過去の小職訳文:M-214, M-859, M-962, M-969, M-984, M-1000。
2008年7月4日
「ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)に用いられるガラス繊維は、EUのREACH規則施行において登録義務の対象となるか」
調査者:望月浩二
発表日:2008年7月3日
日本語報告書提供サービス
この設問には今まで明確な回答が存在しなかったので、ドイツ政府のヘルプデスクを介してECHAの判断を聞き出した。その内容を報告する。
日本語報告書、全3頁
資料番号 M-1081
2008年7月4日
「REACH 規則がよいスタート」
文書の種類:ドイツ連邦環境省プレスリリース
発表:2008年7月2日
独文和訳提供サービス
EUの REACH 規則は、2008年6月1日の予備登録の受け付け開始によってついに始動したが、連邦環境省が現時点でのEUおよびドイツ政府の REACH 対応を報告するプレスリリースを出したので、訳出する。REACH 規則に対応するドイツ法(含む、罰則・罰金規定)の整備状況およびドイツ政府のヘルプデスク体勢にも言及する。REACH 規則、第126条「罰則」により、加盟国は不遵守に対する罰則を国内法で定めることになっており、「規定される罰則は、有効的で、つりあいのとれた、かつ制止的なものでなければならない」とされる。EU内でも環境先進国として影響力のあるドイツ政府が定めた罰則・罰金規定は他の加盟国にも影響を及ぼすものと見られる。プレスリリースにはないが、ドイツ法による罰則・罰金規定(ドイツ化学品法(Chemikaliengesetz)・・・REACH対応法による変更を織り込んだ版・・・の第27b条「規則(EC) No. 1907/2006に対する違反行為」)を日本語訳して添付する。REACH規則は厖大な内容からなるが、ドイツ法におけるREACH 規則に関する罰則・罰金規定は原文で1頁に満たない簡潔なものである。
この資料番号 M-1089 に基づいて、REACH の納入チェーン内での情報共有に関する規則のどの部分がドイツ法で罰則の対象になるかを検討すると興味深いと思われる。仮に、それらすべてがドイツ法はおろかEUの各国法すべてで罰則の対象にならないのであれば、日本の産業界が横断的に JAMP なる組織を立ち上げて対策を構築してきたことの意味の存在自体が疑われることになろう。勿論、罰則の対象にならなくても、規則を遵守することは美しいことではあるが。そうした検討の契機をあたえる点で、資料番号 M-1089 は非常に価値のある情報であると考えられる。
追記:
資料番号 M-1097によって納入チェーン内での情報共有に関する規則への違反のドイツ法による罰則を解明した。本hpの2008年8月3日付の紹介記事を参照。
原文1頁+訳文2頁
資料番号 M-1089
2008年5月14日
「ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はトナーのリスクを解明せず-
被害者は財団“nano Control”を設立」
発表者:国際財団“nano Control”(利益共同体、トナー被害者(ITG)のメンバーが設立した新しい国際的な組織)
発表日:2008年4月21日
発表の種類:プレスリリース
独文和訳提供サービス
2008年4月19日にトナー粉塵のために重い病気に罹ったと称する人々を含む市民達がエアフルトで国際的な財団である“nano
Control”を設立した。財団の設立目的は、室内領域における微細粉塵負荷による危険の認識と回避である。EU委員会は、年間に微細粉塵のために死亡するヨーロッパ人の数を35万人と推定し、米国の環境庁(EPA)は、室内空気が国民の健康にとって最大のリスクであると考えている。しかしながら、室内における微細粉塵と超微細粒子からヒトを守るための法律的規則は存在しない。レーザプリンタと複写機は、室内におけるもっとも重要な微細粒子の発生源の一つである。そのために財団は、まず、これらの機器のエミッションによる回避可能な健康上のリスクを解明し、設計的な対策によってそれらのリスクを除去するつもりである。そのために、意欲のある企業と組織と協力して、プロジェクト「安全なプリント」を立ち上げることが決議された。
さらにこのプレスリリースは、2008年3月31日付の BfR 意見書によって終了した BfR のトナーリスク評価プロジェクトに徹底的な批判を浴びせる。曰く、BfR はトナーのリスクを解明せずと。今後の動向を判断するためにも、このプロジェクトを立ち上げさせた ITG がプロジェクトの結果について述べる意見は一応、把握しておく必要があろう。詳細はこのプレスリリースを参照されたい。
ドイツ語原文、全1頁+日本語訳文、全2頁
資料番号 M-1080
2008年4月20日(脚注2を追加:2008年5月28日)
「BfR は事務機械からのエミッションによる健康の損壊をありえないとは考えない」
発表者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
発表日:2008年4月18日
発表の種類:プレスリリース
独文和訳提供サービス
レーザプリンタおよび複写機からのエミッションに関する BfR のリスク評価プロジェクトのパイロット・スタディ最終報告書(発表2008/1/10)は、事務機械からのエミッションによる健康障害というテーマ全体に関するBfR意見書は2008/3末までに発表の予定と予告していたが、この予告期日を守る形でBfR意見書が2008/3/31付で発表された。
しかし、このBfR意見書が一般に公開されたのは、BfRの2008/4/18付のプレスリリースによってであった。このプレスリリースにはBfR意見書(全26頁)のリンクも明記されている。
以上の経緯のために、まずは、BfR意見書の結論の要約を伝えるプレスリリ-ス(全2頁)を訳出して提供する。
なお、このプレスリリースには「現在までに入手された医学的のデータによると、重大な健康の損壊は観察されていない」という文章が載っているが、この文章の意味するところを次のような脚注2によって定量的に明確化する。
脚注2:
ここの「現在までに入手された医学的のデータによると、重大な健康の損壊は観察されていない」という文章はドイツ語原文の忠実な日本語訳だが、この文章の意味するところを定量的に述べると次のようになると考えられる。そのためには、このプレスリリース末尾の文献に紹介されている本件に関する「2008年3月31日付のBfRの健康評価No. 014/2008」のデータを使用すればよい。BfRの健康評価No. 014/2008には次の記述がある(p.5-6):「ドイツ化学品法の第16e条によると、労働者が化学品のために健康を損壊された疑いがある場合には、医師と労災保険(同業組合)はそのようなケースをBfRに届出る義務がある。BfRはそれらのケースにおける化学品の急性毒性に関する届け出を国際的に認められた方法(Persson et al. (1998): Poisoning severity score. Grading of acute poisoningという論文(本翻訳文の末尾に論文Abstractを掲載)の記述する方法)にしたがって、(0) none, (1) minor, (2) moderate, (3) severe, and (4) fatal poisoningの5種類に分類する。トナーのために健康を損壊された疑いがあるケースのうちで評価可能のケースは2000年から2008年までに112件がこのルーチンにしたがって届出されたが、それらにおけるトナーの急性毒性に関する届け出内容は上記のPersson et al.の分類方法によると、
分類不可能 |
(4)fatal/(3)severe |
(2)moderate |
(1)minor |
(0)none |
5 |
0 |
38 |
63 |
6 |
であった(数字は件数)。ここの「現在までに入手された医学的のデータによると、重大な健康の損壊は観察されていない」という文章はこの表で“(4)fatal/(3)severe”に分類されたケースの数がゼロであったことを意味する。しかし、この文章は次の事実を述べていないことに注意する必要がある:
① 届出された112件のうちで、トナーの急性毒性が致命的/強度の(fatal/severe)毒性に該当する届出の件数こそはゼロだったが、中程度(moderate)および軽度(minor)の毒性に該当する届出件数はそれぞれ、38件および63件あった。また、急性毒性が認められないケースが6件、急性毒性の程度を分類できないケースが5件あった。(38+63+6+5=112)
② これらの数字はすべてトナーの急性毒性のみに関するものであって、急性毒性以外の健康影響に関するものではない。
ドイツ語原文、全2頁+日本語訳文、全4頁
資料番号 M-1079
2008年1月30日
「GHS規則の適用に関する手引き:GHSによる化学品の分類と表示のシステム」から「第3章:企業はどのようにGHS規則の準備をするべきか」(訳文#2)」
発表日:2007年11月30日
発表者:ドイツ連邦環境庁(UBA)
キーワード:GHS、REACH、化学品、分類、表示、危険
独文和訳資料提供サービス
各社におかれてはEUの新化学品規制REACHへの対応は万全と拝察するが、EUは、さらにGHS(下に解説)を化学品規制に導入するべく準備中である。これが導入された暁には、REACHとGHSの棲み分けの明確な理解にもとづく対応が必要である。
Globally Harmonized System of Classification and Labelling of
Chemicals(GHS)は危険な化学品の分類と表示に関して世界規模で統一的なルールを定めるべく国連とOECDが長年取り組んできた努力の結実である。EUはこれをEU規則としてEU化学品法規に組み込むべく2007年6月にGHSに関するEU規則ドラフトを発表し、これは2009年初めにOJ告示される予定である。
ドイツ連邦環境庁は、上記のドラフトに基づいて、GHSがどのように機能するか、GHSによって企業、労働保護関係者および消費者にとって化学品の分類と表示がどのように変わるかを解説する手引き(全82頁)を発表した。この手引きの日本語訳を数回に分けて提供する。
その第2回目として、第3章の日本語訳を提供する。その内容は次のとおり:
第3章:企業はどのようにGHS規則の準備をするべきか
3.1 企業組織に関する推奨
3.2 製品に関する推奨
3.3 対応スケジュールの決定に関する推奨
この章は企業のGHS規則への対応のために直接的な指針を与えているので、熟読して貴社の業務に役立てるよう、お薦めする。
なお、GHSに関するEU規則はOJ告示されれば、加盟各国による国内法化を経ずに、直接各国で効力を発揮するので、同規則ドラフトに基づいて作成された上記の「手引き」は、ドイツ連邦環境庁が作成したものであるにもかかわらず、EU全域に適用可能である。
ドイツ語原文、全5頁+日本語訳文、全7頁
資料番号 M-1066C
2008年1月15日
「ITGプレスリリース
BfR がついに秘密にされていたトナー研究報告書を発表
疑いに裏付:パイロット・スタディがレーザプリンタの高いエミッション値と特有の病気を証明。直接的な因果関係はいまだに未解明。BfR は解明をさらに先延ばし。」
発表日:2008年1月11日
発表者:利益共同体、トナー被害者(ITG)
独文和訳資料提供サービス
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)が2008年1月10日に発表した:
パイロット・スタディ最終報告書:
事務機械、とくに複写機およびレーザプリンタからのエミッションと曝露された事務職従業員の健康の低下ないし損壊との因果関係の可能性の評価
については望月資料 M-1067A と M-1067B にて内容を紹介した(お知らせ No. 348)が、複写機およびレーザプリンタによって健康を害されたと称する人々の団体である「利益共同体、トナー被害者(ITG)」がこの最終報告書を紹介する文書を公開しているので、それを訳出する。HPと日本の一企業を名指しする。
この問題に正しく対処するためには、《トナー被害者》と称する人々が BfR の最終報告書をどのように理解しているかを把握することが必要と思われるが、この文書はそのために役立つ。
ドイツ連邦議会では、2008年1月16日に、環境委員会でレーザプリンタの健康問題が審議される(同盟90/グリーン党の提案)。これがどのように報道されるかも注目される。
ドイツ語原文、全1頁+日本語訳文、全2頁
資料番号 M-1068
2008年1月10日
「パイロット・スタディ最終報告書:事務機械、とくに複写機およびレーザプリンタからのエミッションと曝露された事務職従業員の健康の低下ないし損壊との因果関係の可能性の評価」
発表日:2008年1月10日
発表者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
ドイツ語原文:全335頁
独文和訳資料提供サービス
BfR は、2005年半ばに、とくにレーザ・プリンタと複写機から発生するエミッションと曝露された事務所従業員における健康の損壊との間の相関の有意性を決定することを目的とするパイロット・スタディを開始した。2006年の1月と10月の間にドイツ国内の63の事務所の部屋で部屋の空気を測定し、そこで働く69人の人々を臨床医学的に調査した。BfR
は最終報告書ドラフトを多数の専門家に送付してコメントを依頼したが、それらの専門家は2007年10月16日にベルリンの BfR に集まって議論を行った。最終的なバージョンは2007年末に公表される予定であったが、それは2008年1月10日に発表された。その正式タイトルは上に訳出するとおり。
しかし最終報告書はドイツ語原文で全335頁もの分量があるため、とりあえず、結果と結論だけを訳出して提供する。それに2種類のバージョンを用意するので、注文の際にはご希望の資料番号を明記されたい:
① 表紙+目次+結果+結論をそれぞれ全訳
ドイツ語原文で全18頁⇒ 資料番号 M-1067A
② 表紙の全訳+結論の最終部分のみを訳出
ドイツ語原文で全3頁⇒ 資料番号 M-1067B
いずれの場合にも、ドイツ語原文(全335頁および訳出部分)は標準添付。なお、①の訳文では②で訳出する「結論の最終部分」を黄色の蛍光ペンでマーキングするので、①の注文者は、②を注文する必要はない。また、まず②を注文して、その後で①を注文される場合には、①の価格から②の価格を差し引く。
2008年1月5日
「GHS規則の適用に関する手引き:GHSによる化学品の分類と表示のシステム」から「第1章:GHSとは何か、それはヨーロッパではどのように実行されるか」(訳文#1)
発表日:2007年11月30日
発表者:ドイツ連邦環境庁(UBA)
キーワード:GHS、REACH、化学品、分類、表示、危険
独文和訳資料提供サービス
各社におかれてはEUの新化学品規制REACHへの対応は万全と拝察するが、EUは、さらにGHS(下に解説)を化学品規制に導入するべく準備中である。これが導入された暁には、REACHとGHSの棲み分けの明確な理解にもとづく対応が必要である。
Globally Harmonized System of Classification and Labelling of
Chemicals(GHS)は危険な化学品の分類と表示に関して世界規模で統一的なルールを定めるべく国連とOECDが長年取り組んできた努力の結実である。EUはこれをEU規則としてEU化学品法規に組み込むべく2007年6月にGHSに関するEU規則ドラフトを発表し、これは2009年初めにOJ告示される予定である。
ドイツ連邦環境庁は、上記のドラフトに基づいて、GHSがどのように機能するか、GHSによって企業、労働保護関係者および消費者にとって化学品の分類と表示がどのように変わるかを解説する手引き(全82頁)を発表した。この手引きの日本語訳を数回に分けて提供する。
その第一回目として、第1章までの日本語訳を提供する。その内容は次のとおり:
表紙
全体の内容目次
第1章:GHSとは何か、それはヨーロッパではどのように実行されるか
*GHSとは何か
*GHSはヨーロッパではどのように実行されるか
*それはREACHとはどのような棲み分け関係になるのか
*この手引きの役割
(第2回目としては第3章の日本語訳を提供する予定。その内容は:
第3章:企業はどのようにGHS規則の準備をするべきか
3.1 組織に関する推奨
3.2 製品に関する推奨
3.3 対応スケジュールの決定に関する推奨)
なお、GHSに関するEU規則はOJ告示されれば、加盟各国による国内法化を経ずに、直接各国で効力を発揮するので、同規則ドラフトに基づいて作成された上記の「手引き」は、ドイツ連邦環境庁が作成したものであるにもかかわらず、EU全域に適用可能である。
ドイツ語原文、全10頁+日本語訳文、全12頁(推定)
資料番号 M-1066A
2007年12月20日
「REACHに関するよくある質問」から「物質のアイデンティティに関する質問」および「中間体に関する質問」
発表者:ドイツ連邦労働保護・労働医学庁(BAuA)
発表日:BAuA のウェブサイトに掲載されており、それには発表日の記載なし
独文和訳資料提供サービス
REACHに関するよくある質問とそれへの回答はEU委員会が発表しており、ダウンロードでき、またその日本語訳も入手可能である。
それではカバーされない質問をドイツのREACH管轄官庁の一つである BAuA が次の13種類のカテゴリーに分けて問答形式で明快に解明している。:
1 予備登録に関する質問
2 登録に関する質問
3 例外と定義づけに関する質問
4 ポリマの登録に関する質問
5 唯一の代理人の規定に関する質問
6 川下ユーザに関する質問
7 安全性データシートに関する質問
8 移行規定に関する質問
9 認可に関する質問
10 情報義務に関する質問
11 物質のアイデンティティ
12 中間体
13 アーティクル
今回はそのうちの11および12を独文和訳して提供する。それらの質問は次のとおり:
11.物質のアイデンティティに関する質問
- 多成分物質と調剤との限界はどこにあるか。Be-Cu合金 (2% Be, 98% Cu)は多成分物質かそれとも調剤か。
- 表面処理した物質は登録しなければならないか。
- カーボンブラックは登録しなければならないか、それとも付属書IV による登録に関する例外が適用されるか。
- カーボンブラックは種々のプロセスで生成し、それに応じて名称が付けられている、例えば、ファーネス・ブラック、アセチレン・ブラック、ランプ・ブラックなど。これらの物質はすべて EINECS番号 215-609-9 のカーボンブラックによって総称されるのか。
- 付属書 IV に述べられた物質から得られる、後処理された物質もまた登録義務の対象から外されるか。
- 一つの EINECS 記載によってカバーされるのはどのような酵素か。どのような変更が許されるか。
12.中間体に関する質問
- サイト内部の単離中間体では登録のために提出するべきデータ一式はどのようであるか。
- 第10条によるフル登録の手続きを必要とする中間体は今後もタイトルVII による認可の対象から外されるか。
- REACH規則の枠内では、単離中間体にはどのような移行期限が適用されるか。単離中間体はどのような条件の下で登録されなければならないか。
- 2008年6月1日からは、EU域内で登録されておらず、EU域内で登録された最終製品に加工される中間体は、登録しなくてはならないか。
- 輸送される単離中間体に関するきびしく管理された条件はどのようにしてEU域外のサイトで管理し、徹底するのか。
なお、今後、1、2および4を除くすべてのカテゴリーのQ&Aを訳出、提供する予定。カテゴリー1、2および4のQ&Aの訳文にご関心ある方は入手先をご案内しますので、ご一報下さい。
資料番号 M-1031-11-12
お問い合わせはこちらまで
「REACHに関するよくある質問」から「移行規定に関する質問」、「認可に関する質問」および「情報義務に関する質問」
発表者:ドイツ連邦労働保護・労働医学庁(BAuA)
発表日:BAuA のウェブサイトに掲載されており、それには発表日の記載なし
独文和訳資料提供サービス
REACHに関するよくある質問とそれへの回答はEU委員会が発表しており、ダウンロードでき、またその日本語訳も入手可能である。
それではカバーされない質問をドイツのREACH管轄官庁の一つである BAuA が次の13種類のカテゴリーに分けて問答形式で明快に解明している。:
1 予備登録に関する質問
2 登録に関する質問
3 例外と定義づけに関する質問
4 ポリマの登録に関する質問
5 唯一の代理人の規定に関する質問
6 川下ユーザに関する質問
7 安全性データシートに関する質問
8 移行規定に関する質問
9 認可に関する質問
10 情報義務に関する質問
11 物質のアイデンティティ
12 中間体
13 アーティクル
今回はそのうちの8、9および10を独文和訳して提供する。それらの質問は次のとおり:
8.移行規定に関する質問
- 1 ton/年未満の量で上市される、指令 67/548/EEC による新規物質に関しては移行規定があるか。
- 指令 67/548/EEC によって与えられた PPORD 認可はどのようにして REACH に引き継がれるか。
- ELINCS 物質、すなわち新規物質として申告されていた物質に関しては、IUCLID ファイルを提出しなくてはならないか。Yes の場合には、その提出期限はいつまでか、また提出期限は量の閾値に関係があるか。
- ELINCS 物質に関して必要の場合に、化学品安全性評価および化学品安全性報告書ならびに拡張された安全性データシートはいつまでに提出しなくてはならないか。
- 2008年5月に提出される新規物質の申告はどちらの法規によって処理されるか:古い法規かそれとも REACH 規則か。
9.認可に関する質問
- すでに付属書XIVのための候補のリストが存在するか。
10.情報義務に関する質問
- もしも製品(例:コンピュータ筐体)が有毒物質を含む場合には、誰が報告義務を履行しなければならないのか。テストを実行しなくてはならないか。
なお、今後、1、2および4を除くすべてのカテゴリーのQ&Aを訳出、提供する予定。カテゴリー1、2および4のQ&Aの訳文にご関心ある方は入手先をご案内しますので、ご一報下さい。
資料番号 M-1031-8-9-10
「REACHに関するよくある質問」から「唯一の代理人の規定に関する質問」
「川下ユーザに関する質問」および 「安全性データシートに関する質問」
発表者:ドイツ連邦労働保護・労働医学庁(BAuA)
発表日:BAuA のウェブサイトに掲載されており、それには発表日の記載なし
独文和訳資料提供サービス
REACHに関するよくある質問とそれへの回答はEU委員会が発表しており、ダウンロードでき、またその日本語訳も入手可能である。
それではカバーされない質問をドイツのREACH管轄官庁の一つである BAuA が次の10種類のカテゴリーに分けて問答形式で明快に解明している。:
1 予備登録に関する質問
2 登録に関する質問
3 例外と定義づけに関する質問
4 ポリマの登録に関する質問
5 唯一の代理人の規定に関する質問
6 川下ユーザに関する質問
7 安全性データシートに関する質問
8 移行規定に関する質問
9 認可に関する質問
10 情報義務に関する質問
今回はそのうちの5、6および7を独文和訳して提供する。それらの質問は次のとおり:
5.唯一の代理人の規定に関する質問
- EU域外の製造者が自分の調剤の内容物質をEU域内に居を置く子会社によって登録させた。その場合には、その製造者はEU域内の客にも直接納品することができ、〔納品を受けた〕客は登録をする必要がないか。
6.川下ユーザに関する質問
- 川下ユーザがREACHの例外(例:ヒト用の医薬品としての使用)に該当する物質を例外が許すのとは異なるやり方で使用する場合には、誰が物質を登録しなくてはならないか。
- 物質の使用の申告には物質の(予備)登録とおなじ期限が適用されるか、それともこれに関しては特別の規則があるか。
- 納入者が(予備)登録していない原料を我々が使用した場合には何が起こるか。
- もしも私の利用がカバーされておらず、しかし私が化学品安全性報告書の作成費用を一人で負担したくない場合には、川下ユーザである私はコンソーシアムに参加することができるか。
- 川下ユーザが調剤について化学品安全性報告書を作成しなくてはならないのはどのような場合か。
なお、今後、1、2および4を除くすべてのカテゴリーのQ&Aを訳出、提供する予定。カテゴリー1、2および4のQ&Aの訳文にご関心ある方は入手先をご案内しますので、ご一報下さい。
資料番号 M-1031-5-6-7
「REACHに関するよくある質問」から「例外と定義づけに関する質問」
発表者:ドイツ連邦労働保護・労働医学庁(BAuA)
発表日:BAuA のウェブサイトに掲載されており、それには発表日の記載なし
独文和訳資料提供サービス
REACHに関するよくある質問とそれへの回答はEU委員会が発表しており、ダウンロードでき、またその日本語訳も入手可能である。
それではカバーされない質問をドイツのREACH管轄官庁の一つである BAuA が次の10種類のカテゴリーに分けて問答形式で明快に解明している。:
1 予備登録に関する質問
2 登録に関する質問
3 例外と定義づけに関する質問
4 ポリマの登録に関する質問
5 唯一の代理人の規定に関する質問
6 川下ユーザに関する質問
7 安全性データシートに関する質問
8 移行規定に関する質問
9 認可に関する質問
10 情報義務に関する質問
今回はそのうちの「3.例外と定義づけに関する質問」を独文和訳して提供する。それらの質問は次のとおり:
- 医薬品の作用物質に関する登録の例外(第2条、第5項)は、医学製品(例:怪我手当て用の製品)中の同様の作用物質にも適用されるか。
- 次の固形物質-鉱物、石炭、金属-のうちでREACHの例外規定が適用されて、登録義務の対象とならないのはどれか。
- 包装材料は医薬品に入るか。一次包装材料(例:ブリスタ)と二次包装材料(例:ボール箱)とは区別されるか。
- REACH の下では芳香性の油の登録義務はその使用目的にもよるというのは正しいか。例:a)ベーキング・ミックス, b)洗剤のためのレモンオイル。
- 指令 67/548/EEC による申告が行われている場合には、その製品は REACH の下で登録済みとして扱われる。その際に、様々のレベル(制約された申告、第16b条による連絡)はどのように扱われるか。
- 我々は鉱物繊維プレートを主に天然の物質(例:澱粉)から製造し、塗装には水溶性の分散塗料を使用する。我々は、そのような鉱物繊維プレートを登録しなければならないか。
- 2成分システムはどのように登録するのか。
- REACH は澱粉の製造と精製をどのように取り扱うか。例:食品中の精製された澱粉(エステル)、接着剤の保存。
なお、今後、1、2および4を除くすべてのカテゴリーのQ&Aを訳出、提供する予定。カテゴリー1、2および4のQ&Aの訳文にご関心ある方は入手先をご案内しますので、ご一報下さい。
資料番号 M-1031-3
レーザ・プリンタと複写機から発生する超微細粉塵はトナー粒子を含まないことが明らかに
発行者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
発行日:2007年10月16日
独文和訳資料提供サービス
BfR は、2005年半ばに、とくにレーザ・プリンタと複写機から発生するエミッションと曝露された事務所従業員における健康の損壊との間の相関の有意性を決定することを目的とするパイロット・スタディを開始した。2006年の1月と10月の間にドイツ国内の63の事務所の部屋で部屋の空気を測定し、そこで働く69人の人々を臨床医学的に調査した。BfR は最終報告書ドラフトを多数の専門家に送付してコメントを依頼したが、それらの専門家は2007年10月16日にベルリンの BfR に集まって議論を行った。最終的なバージョンは今年末には完成し、インターネットに公表される。この BfR プレスリリースは、パイロット・スタディの結果のうちで、現在すでに明確な結論が出ている事柄と未解決の事柄をリストアップする。
ノルトライン・ヴェストファーレン州(NRW州)の財務管理当局における環境にやさしいトナーおよび機器の認定
発表者:ペーター・シュルツェ(NRW州、財務管理当局)
発表日:不明(ドイツ語原文に記載なし)
独文和訳資料提供サービス
ドイツのNRW州の財務管理当局は配下の税務署を含めると約1万8千台のレーザ・プリンタと複写機を使用している。これらの機材を管理するのはこの役所の計算機センターの役目である。ドイツのコンピュータ雑誌がはじめてトナー中の有害物質について報告したのは1998年のことであったが、計算機センターは迅速に反応し、分析会社(LGA)に分析を依頼して、使用機器のエミッションの現状を把握した。それによると、エミッションの状況は3つのグループに分類された。機器のエミッション管理にはトップランナー方式を採用することにして、エミッション挙動も考慮した調達基準を設定して実行した。この基準は機器技術の進歩に合わせて常に更新している。また、「利益共同体、トナー被害者(ITG)」や労災保険ともコンタクトをとり、最新の被害情報を入手し、それらの未然防止にも力を入れている。また、環境保全の観点も重視し、3R(Recycle, Refill, Rework)に取り組んでいる。
このような、職員の健康を守るための活動がドイツ公営TV(ARD)により紹介され(2004年2月10日放映)、非常に大きな反響があった。環境担当者のペーター・シュルツェは一つ一つの問い合わせにきちんと回答している。今後も質問をお寄せくださいとのこと。
レーザ・プリンタ、レーザ・ファックス機および複写機からのエミッションへの対策
発表者:ドイツ連邦議会(印刷物 16/5776)
発表日:2007年6月20日
独文和訳資料提供サービス
ドイツのグリーン党が連邦政府に対してトナーを用いる機器(プリンタ、ファックス機、複写機)からのエミッションへの対策を提案する文書を訳出、提供する。
その根拠として、ここ10年来のトナー機器からのエミッション研究の結果を総括する:
①レーザ・プリンタの運転により室内空気中の超微細粉塵の濃度が上昇する(UBA報告書, 2006)
②レーザ・プリンタの運転により室内空気中にオゾン、VOC、粉塵が放出される(連邦政府回答書, 2007)
③トナー中には有機錫化合物やその他の有害物質が含まれている場合がある。
対策の具体例として、ノルトライン・ヴェストファーレン州の財務管理当局が導入した対策(資料番号 M-1042)とブルーエンジェルマークを述べ、さらに5つの項目を実行するように政府に要請する。
2007年9月28日
ポリエステル触媒:今日の技術と使用可能の代替物の批判的分析
発表日:2006年10月
英文原文資料
ポリエステル重合技術のコンサルタントとして著名なチーレ博士(ドイツ人)が次の内容について詳細に英語で講義する:
②今日のアンチモン(含む、飲料水中の規制値(WHO, USA, Germany, Europe, Japan))
③なぜ、どのようにして、非アンチモン触媒か?(日本の Ge 触媒にも言及)
④安定剤および触媒としてのリンの役割
⑤Ti, Al, Si / Zr および Mg ベースの現在使用可能の非アンチモン触媒
⑥非アンチモン触媒を用いるポリエステルの樹脂、繊維およびフィルムの製造者
⑦まとめ
⑧文献リスト
PET ボトルに関する消費者の質問への回答
発表者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
資料発表日:2007年9月10日
【概要】
ドイツだけでなく、欧州全域において、PET ボトルは飲料容器として圧倒的な普及を
見せており、ドイツなどいくつかの国々では、飲料のリターナブル容器(空ボトルを洗浄して、飲料を再充填する)としても使用されている。
しかし他方では、飲料容器としての PET ボトルの健康へのリスクを心配する消費者からの質問がドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)に絶えず寄せられている。
そこで、BfR は代表的な質問へのBfR としての回答を発表した。
なお、BfR としての回答はドイツ政府の公式回答に他ならない。
それらの質問は次のとおり:
- しばしば PET ボトルからのミネラル・ウォータは甘くて果実の香味のある味がする。これはどういうことか。
- 飲料中のアセトアルデヒドは健康に有害か。
- 消費者は PET ボトルからのミネラル・ウォータを飲もうとするならば、アセトアルデヒドの味を我慢しなければならないのか。
- PET ボトルには可塑剤が含まれているか。
- PET ボトルにはビスフェノールAが含まれているか。
- PET ボトルからの飲料中にアンチモンが検出可能なのはなぜか。アンチモンは人間にとってどのような作用があるか。
資料番号 M-1045
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2007年9月12日
「臭素系難燃剤デカブロ(Deca-BDE)の代替品に関するデンマーク政府の2つの報告書」
資料発表日:2007年8月17日
【概要】
欧州RoHS指令による電気・電子機器の材料中での特定臭素系難燃剤の使用禁止規制はPBBとPBDEとを対象とするが、EU委員会は2005年10月13日付のEU委員会の決定によって、PBDEのうちのデカブロ(Deca-BDE, CAS No. 1163-19-5)を規制対象から外した。
この決定の取り消しを求めて、欧州議会とデンマークはそれぞれ独自に欧州司法裁判所に法的是正を求める手続きを取った(?月?日報告書にて既報)。
RoHS指令は、次の2つの場合にのみ、RoHS指令による物質禁止は取り消しできると定める(第5条、第1項、(b)):
①当該物質には代替品がないかまたは、
②代替品の環境、健康および消費者安全性に関する短所が代替品の長所を上回る。
そこで、デンマークは、2007年8月17日付で、Deca-BDEについては、
これら2つのいずれも該当しないこと、すなわちDeca-BDEの禁止はRoHS指令の規定によって取り消しができないことを示す2つの英文報告書を発表した。
これらを提供する。デンマーク政府は、これらの科学的エビデンスを根拠に欧州司法裁判所における勝利を目指す。
資料番号 M-1043 は、Deca-BDE の代替品を詳述するとともに、電気製品において Deca-BDE を廃止した企業(Dell, HP, Compaq, Sony, IBM, Ericsson, Apple, Panasonic, Intel, B&O)の見解と採用した代替品を紹介する。
資料番号 M-1044(全170頁)
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2007年8月20日
「臭素系難燃剤デカブロ(Deca-BDE)をRoHS指令による電気・電子機器の材料中での使用禁止規制対象から外したEU委員会の決定の取り消しを目指す欧州域内での動き」
資料作成日:2007年8月20日
【概要】
欧州RoHS指令による電気・電子機器の材料中での特定臭素系難燃剤の使用禁止規制はPBBとPBDEとを対象とするが、EU委員会は2005年10月13日付のEU委員会のいわゆるコミトロジー手続きによる決定によって、PBDEのうちのデカブロ(Deca-BDE, CAS No. 1163-19-5)を規制対象から外した。
Deca-BDEを電気・電子機器の材料中での使用禁止規制対象から外したこのEU委員会の決定に関しては、欧州域内では大きく言って二つのやり方でその取り消しを目指す動きがある。
この資料はその動きに関する最新情報を提供する望月オリジナルの調査資料。提供する情報のうち最新は2007年8月17日付け。
2007年8月13日
『トナー粉塵の危険性に関するメルシュ=ズンダーマン教授とのインタヴュー』
発表日:2007年8月13日
発表メディア:http://www.testticker.de/
独文和訳資料提供サービス
【概要】
BfR の委託によりトナー使用機器の稼動する室内の空気の測定を行ったギーセン大学のメルシュ=ズンダーマン教授とのインタヴュー。
資料番号 M-1038
2007年8月6日
『トナーによる健康上の苦情』
発行日:2007年8月3日
発行者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
資料番号:BfR の情報 No. 021/2007独文和訳資料提供サービス
【概要】
BfR は、トナーの健康リスクの評価に関する下の望月資料番号 M-1003の原文最末尾にドイツ語で11行の文章を追加することによってプロジェクト進行の最終的な予定を発表したので、訳出、提供する。
資料番号 M-1035
2007年8月2日
『オフィス・プリンタの粒子エミッション特性』
発表日:2007年8月1日
発表誌:米国の著名な環境科学の専門誌
発表者:オーストラリアの3人の研究者英語原文資料提供サービス
【概要】
発表論文およびそれを紹介する記事2本(すべて英語原文資料)を提供する。オーストラリアの大学の研究者が62台のオフィス・プリンタの粒子エミッションを測定し、微細粒子(PM)のエミッションの強さの4種類のカテゴリーに製造者名と製品型式名を名指しで分類する。数量的にはhp製のプリンタが圧倒的に多いが、日本製のプリンタもある。
納品内容:発表論文(全7頁)、紹介記事(全2頁)x 2本
2007年6月5日
『Prohibition on certain hazardous substances in consumer products』
発表日:2007年5月31日
発行者:Norwegian Pollution Control Authority / Oslo
英語原文資料提供サービス
【概要】
ノルウェーの当局が消費者向け製品中の特定の危険物質の禁止に関する法律のドラフトを発表したので提供する。製品中の均質な構成部品内における危険物質の含有濃度が規定値(ドラフトに指定)を超える場合には、当該製品の製造、輸入、輸出、販売を禁止する。その危険物質とは次の14種類:
- Arsenic
- Bisphenol A
- Lead
- Diethylhexylphtalate (DEHP)
- Cadmium
- Medium-chained chlorinated paraffins (MCCP)
- Musk compounds (Muskxylene and muskketone)
- PFOA and related compounds
- Triclosan
- Selected surfactants (DTDMAC, DODMAC/DSDMAC, DHTDMAC)
- Pentachlorphenol (PCP)
- Tributyltin and triphenyltin compounds (TBT and TPT)
- Hexabromocyclododecane (HBCDD)
- Tetrabromobisphenol-A (TBBPA)
このうちで、MCCP と PFOA についてはEUおよびノルウェーで今まで法規制がなかった。また、臭素系難燃剤である HBCDD と TBBPA についてはEUおよびノルウェーで今まで消費者向け製品に関する法規制がなかった。その意味で先進的な法規制であり、EU化学品規制への影響が注目される。この法律は 2007 年の秋に成立の予定。
この文書は前半の4頁が法律ドラフトで、残る50頁は規制の理由を述べる《インパクト・アセスメント》(内容的には、リスク・アセスメント)。
納品内容:英語文書のワードファイル(全54頁)
2007年5月15日
① Food Contact Materials - European Legislation (Presentation
Joana Antunes, European Commission) PDF-file 481.2 KB
② Food Contact Materials within the European Food Safety
Authority (EFSA) (Presentation Prof. Dr. Paul Tobback,
University Leuven/Belgium) PDF-file 91.4 KB
③ Migration of perfluorchemicals from food contact materials
(Presentation Timothy Begley, Food and Drug Administration
(FDA, USA) PDF-file 3177.4 KB
④ Bisphenol A: Hazard and health risk assessment of a food
contact material (Presentation Prof. Dr. Wolfgang Dekant,
University Wuerzburg/Germany) PDF-file 92.2 KB
発表日:2007年4月25日
発行者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、ベルリン
英語原文資料提供サービス
【概要】
ドイツでは、BGA(連邦保健庁)に創設され、組織の改編に伴ってBgVV(連邦消費者健康保護・獣医学研究所)そして現在の BfR に受け継がれた『プラスチック委員会』がこの2007年4月25日に創立50周年を祝った。この委員会は食品と接触するプラスチック材料に関する『推奨』(Empfehlungen)の発行者として著名である。
2007年4月25日には創立50周年記念のイベントとして国の内外から9人の専門家を招いて食品接触プラスチック材料に関する講演会が行われたが、それらのうちでプレゼンテーション・ファイルが英語の4つの講演のPPTファイルを提供する。いずれもパワーポイント・ファイルなので読みやすい。
納品内容:上記の①~④の講演のpptファイル(いずれも英語)
『ダイオキシンおよびダイオキシンに類似する、多塩化ビフェニル(dl-PCB)の同族体に関する WHO の毒性等価係数(TEF)の変更が毒性等価量(TEQ)に及ぼす影響』
発行日:2007年2月14日(上記文書に記された日付)
発表日:2007年5月4日(BfR が上記文書を発表した日付)
発行者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、ベルリン
発行者の URL:http://www.bfr.bund.de/
独文和訳資料提供サービス
【概要】
標記の TEF としては WHO が1998年に定めたものが用いられてきたが、WHO は毒性学的なデータには変更がなかったにもかかわらず、TEF の見直しを行い、2005年に改定された TEF を発表した。それらは、同族体の約半分については変更がなかったが、残る半分については従来値よりも値が小さくなった。
WHO はダイオキシンおよび dl-PCB の耐用一日摂取量(TDI)を 1~4 pg WHO-TEQ/体重kg・日と定めているが、TEF が小さくなったことは、耐用一日摂取量を遵守するために摂取してよいダイオキシンおよびdl-PCB の量が増大することを意味する。
消費者の健康保護を使命とする BfR は、代表的な食料品(牛乳、卵、魚(にしん、うなぎ、さけ)、肉(牛、豚、鶏)、野菜、母乳)について同族体の分布を測定し、それに基づいて、TEF の減少による TEQ値の減少分を計算した。その結果は、減少分は食料品では 10~20%、母乳では 25% のオーダであった。
これをもとに、BfR は、2006年9月に、関係する毒性学的の知見に変更がない場合の TEF の引き下げは消費者健康保護のレベルの低下を招く危険がある、TEF の見直しは、関係する毒性学的の知見が変化した場合にのみ行うべき、という見解を発表した。
今回の発表は、BfR の2006年9月の見解発表の際にはデータの数が不十分だった点を補い、食料品については 1156 の、母乳については604 の試料について測定し、上記の見解の正しさを検証した。
一例を挙げると、食料品中に比較的に高い濃度で含まれることがあるフラン2,3,4,7,8-PeCDF について WHO は TEF を 0.5 から 0.3 に引き下げた。
資料番号 M-1022
2007年2月24日
『パイロット・スタディ:第二報』
発行日:2007年2月21日
発行者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
独文和訳資料提供サービス
【概要】
2007年1月24日に委託研究の実行者である、ギーセン大学病院の室内・環境毒性学研究所の教授フォルカー・メルシュ=ズンダーマン博士は作業場におけるトナー粉塵の健康的影響に関するパイロット・スタディの第一報を発表した(2007年1月25日付のBfRの情報)
。それは、複写機およびプリンタの動作をともなう4つの事務所建物の室内空気の測定データであった。今回は第二報として、ギーセン大学室内・環境毒性学研究所の教授カロリーネ・ヘア博士を中心とするグループがBfRにおいてこれらの事務所建物で働く69人の臨床医学的な研究結果(室内空気の測定データとの相関を含む)を発表したので訳出提供する。
資料番号 M-1017
『パイロット・スタディ:第一報は、トナー・エミッションによる健康上の問題についての推論を許さず』(プレスリリース)
発行日:2007年1月25日
発行者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
独文和訳資料提供サービス
【概要】
BfRから「トナー研究」の委託を受けたギーセン大学病院の室内・環境毒性学研究所の教授メルシュ=ズンダーマン博士は2007年1月24日に、BfRにおいて第一報を発表した。発表されたのは、レーザ・プリンタまたは複写機が設置され、かつ人々が働いている、ドイツの4つの都市の9つの建物の中にある63の事務所の部屋の空気の測定データである。教授とそのチームは、VOC、粒子と粉塵ならびに空気中のバクテリアと糸状菌を測定した。測定された濃度からは、今のところ、急性の健康への影響に関する示唆を導くことはできない。しかし、プリンタまたは複写機が動作を開始する際に超微細粒子(10と1000ナノメータの間)の放出が見られた。この超微細粒子の一時的な上昇の健康との関連性の可能性については現在、評価中である。より詳細は本資料を参照されたい。
資料番号 M-1011
2007年1月20日
『ドイツ化学品禁止政令(Chemikalienverbotsverordnung、略称: ChemVerbotsV) 2006年7月19日付の官報による変更告示までを反映(それ以降、現在まで変更なし)』
ドイツ連邦環境省(主管)
独文和訳資料提供サービス
【概要】
ドイツの標記政令の正式名称は「危険な物質、調剤および製品の流通の禁止および制限に関する政令」。この名称が示すように、ドイツ市場への輸出のためには、物質、調剤、製品がこの政令に抵触しないことを確認しなければならない(例えば、ICパッケージ用モールド材に至るまで)。
この政令はEU化学品法規を国内法化するだけでなく、それよりもきびしいドイツ独自の規制をも含む(例えばダイオキシン規制(=臭素系難燃剤規制)、生体内耐久性をもつ繊維の規制)ので要細心注意。
以前の小職和訳 (M-984: June 2005)が古くなっていたので、最新の政令を訳出、提供する(ファイル①)。Google によると上記のバージョンの和訳は日本ではまだ流布していない(流布しているのは、2005年6月までの改定を含むバージョン)。
このバージョンで新たにリストアップされた禁止物質とその根拠は次のとおり:
*多環芳香族炭化水素(PAH) ... 指令76/769/EECの第27次変更、
*トルエン ... 指令76/769/EECの第28次変更、
*1,2,4-トリクロロベンゼン... 指令76/769/EECの第28次変更。
所管のドイツ連邦環境省が今回の改定内容を解説するプレスリリースの訳文を標準添付する(ファイル②)。
なお、法文の一部にマイナーな変更があるが、それらについては、すべての変更をリストアップする訳文(ファイル③)を標準添付するので確認が可能。
①訳文32頁 .. M-1000J.doc .. 最新版の化学品禁止政令
②訳文2頁 .. M-1000J-1 ドイツ環境省プレスリリース.doc
③訳文1頁 .. M-1000J-2 変更告示テキスト.doc
(分売は致しません。ご了承下さい)
『トナーによる健康上の苦情』
発行日:2006年12月14日
発行者:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
資料番号:BfR の情報 No. 049/2006
独文和訳資料提供サービス
【概要】
BfR は、2000年来、トナーの健康リスクの評価に取り組んできた。この年に、化学品法の第16e条に基づく健康損壊の疑いのあるケースについての最初の連絡がBfR(当時はまだBgVV)に届いた。2006年7月17日までに、化学品法の第16e条の枠内で98件の連絡があった。
届け出られたケースに基づいて、BfR は、ギーセン大学、室内・環境毒性学研究所にレーザプリンタおよび複写機の健康損壊リスク評価に関する委託研究を発注した。2007年7月にリスク評価報告書が完成し発表される予定であるが、この資料は今までの経緯および今後の進め方について報告する。
工業会 BITKOM によると、トナーへの曝露が原因の健康不調は今までのところ、ドイツ以外では一件も知られていないとのことであるが、BfR が European Association for Poison Control Centres and Clinical Toxicologists (EAPCCT)経由で世界各国に情報提供を求めたところ、呼吸路の刺激症状を中心に数多くのケースが報告されたとのことである。詳しくは本資料を参照。
資料番号 M-1003
REACH の欧州議会可決に関するドイツの
*消費者保護団体
*自然保護団体
のプレスリリース
発行日:2006年12月13日
独文和訳資料提供サービス
【概要】
EUの新化学品法規としての REACH 規則は、2006年12月13日に欧州議会が可決した。さらに同18日に環境閣僚理事会が承認して成立する予定である(形式的承認のみで内容変更はなし)。
消費者保護団体および自然保護団体は、欧州議会が可決した妥協案は、産業サイドの強い圧力のために《骨抜き》になったと評しているが、これら団体の意見を紹介する。
消費者保護団体の意見としては、ドイツ消費者センター連邦連合会(vzbv)のプレスリリース2通を、自然保護団体の意見としては、ドイツ環境・自然保護連盟(BUND)、ドイツ・グリーンピースおよびWECF(Women in Europe for a Common Future)の合同プレスリリースをそれぞれドイツ語原文から訳出する。
なお、vzbv は、ドイツの消費者団体を統括する NGO だが、その予算の6割は連邦消費者保護省からの寄付金で賄う。test誌で有名な商品試験財団は vzbv の支持会員。
vzbv のプレスリリース(Q&A)、訳文全2頁
自然保護団体合同プレスリリース、訳文全2頁
資料番号 M-1002(分売は致しません。ご了承下さい)
2006年10月25日
カドミウム規制 1999 (NL Cadmium Decree 1999)
オランダ環境省
発行官報名称および発行日:Bulletin of Acts and Decrees (Staatsblad), 8 April 1999, no. 149.
オランダ語資料の英語訳提供サービス
【概要】
オランダにおけるカドミウム規制(NL Cadmium Decree 1999)はソニーの「プレイステーション
(PS)ワン」が出荷停止になった根拠となる法規としてあまりにも有名であるが、この法規に関するオランダ環境省の“Factsheet”は同省hpから簡単に入手できるものの、法規原文の同省による英訳版は《いくら探しても見つからない》ことで定評があった。このほど、これを入手したので、提供する。法規自体は全8頁だが、これに同省による詳細な解説、全23頁が付く。
英語原文5頁 ... 同上 Factsheet
資料番号 M-1001
ドイツ連邦政府回答書
『亜鉛のリスク評価に関する報告書』
作成者:連邦環境省
発行日:2006年7月27日
独文和訳資料提供サービス
【概要】
EUでは10年以上前から、EU既存物質規則(793/93/EEC)の枠内で、亜鉛の環境リスクの評価に関する作業が行われてきた。その最終的なリスク報告書は本年(2006)秋に発表される予定である。
この物質に関しては、一つのリスク評価報告書しかない、たいていの他の物質とは異なり、《人間の健康》領域のためと《環境》領域のために別々のリスク評価報告書が作成された。《人間の健康》の部の報告書が比較的に速やかに作成されたのに対して、《環境》の部の報告書に関しては、自然界に現れる物質に適用するべき方法論の観点、利用できる測定値の品質、評価方法そして適用するべき安全係数が持続する論争の対象であった。その際に大きなスペースを占めた議論は、亜鉛のように人間の健康にとって重要な、不可欠の微量元素を《リスク評価》の枠内でいかに取り扱うべきかに関してであった。
この連邦政府回答書は、ドイツの政党FDPが提出した、このリスク評価に関する18の質問に連邦環境省が回答する。その内容は、EUにおける亜鉛のリスクの評価と管理(必要に応じてリスク抑制対策を含む)の決定プロセスについてリスク評価報告書の最終版には載らない《裏情報》を提供する。
EU化学品法規の枠内で金属がリスク評価の対象となるのは亜鉛がはじめてである。このために過去10年間に開発された方法論は、他の金属の評価に際しても援用することができよう。
付属書1には、人体にとっての亜鉛の意味を記述する(含む、乳児、子ども、成長期の人間、成人ならびに老人に対する一日あたりの摂取量の推奨値)。飲料水および下水処理沈殿汚土(スラッジ)にとっての許容値は付属書2に記述する。
2006年3月27日
『 MAK および BAT 値リスト(ドイツ連邦労働省告示)』
2006年1月19日付(連邦労働報 Bundesarbeitsblatt、2006年3月号にて告示)
独語原文資料提供サービス
【概要】
これは、ドイツ学術振興会の「健康に害を及ぼす作業物質の試験に関する審議委員会」が発表した、近々審議が終了する予定の物質のリストの告示。すなわち、このリストに掲載の物質に関しては、2006年または2007年の7月1日に公表される MAK および BAT 値リスト(通称「MAK リスト」)において、新しい MAK/BAT
値の発表あるいは発癌性、胎児有害性、胚細胞変異原性または感作性の物質としての新規分類あるいは分類変更の発表が予想される。』このリスト上では物質名には CAS
No.が付記されているので、本資料は原語(ドイツ語)のまま提供する。今年は6価クローム、トルエンなど72物質がリストアップされている。審議の動機もリストアップされているが、そのほとんどはEU委員会の提案による。このリストにより、欧州では健康に害を及ぼす作業物質としてどのような物質に目線が行っているかを知ることができる。